「トップコンサルタントが明かすポストM&A成功44の鉄則」要約や感想

トップコンサルタントが明かすポストM&A成功44」の鉄則を読みました。

買収した後のリアルな失敗事例や具体的な対策など、買い手向けに書かれた内容で参考になります。とくに法人を買収したいとなれば、規模は違えど、一読しておくと大きな失敗は防げると感じました。

今回、サイト売買(サイトM&A)でも参考になるポイントがありましたので、紹介します。

アンゾフのマトリックスで目的を可視化(P28)

セミナーでもよくお伝えしているアンゾフのマトリックス。これは「企業戦略の父」と呼ばれる経営学者『イゴール・アンゾフ』が提唱しているものです。

本書の解説を用いると、

縦軸に「顧客(市場)」、横軸に「商品・サービス」を置き、縦軸と横軸をそれぞれ既存と新規といったテーマで分類することで、おおよその戦略の方向性を4つに分けて見定められるようにする

という解説になります。

これだけだと分かりにくいと思いますが、以下マトリックスチャートを見ると、言わんとしていることは理解できると思います。

サイト買収に活用できるアンゾフのマトリックス

本書でも解説されていますが、今回のサイト買収がどの目的になるのか?を客観的に判断ができます。

意外と多くの方が「買収の目的」を忘れてしまっているので、注意が必要です。

サイト買収と言えども買い物ということには変わりません。「これなんで買ったんだっけ?」と、後になって分からなくなるケースは、人生で1度や2度経験があるのではないでしょうか?

M&Aはもちろん、サイト買収でも、「なんで買ったんだっけ?」と、分からなくて再度売却するケースは後を経ちません。ぜひあなたは注意してほしいと思います。

目的によってやることも変わってくる

アンゾフのマトリックスでいう、多角経営が目的となったとしましょう。例えば、これまで店舗ビジネスをやっていた飲食店の社長が、「アフィリエイトサイトを買収してネット事業にも力を入れていこう!」というようなケースです。

このとき、お店のアルバイトや社員も当然ながらアフィリエイト経験がないことがほとんどです。この社長も未経験である場合、じっくりと腰を据えてある程度の時間をかけて取り組む必要があります。

そのとき、重要になるのが売り手(元運営者)からの引き継ぎです。ここが疎かになってしまうと、訳がわからないものを受け取っただけになり、結局買収したサイトを活用できません。

よって、多角経営を目的とする場合、まず真っ先にやることは売り手との関係性構築です。

ここをしっかりできれいれば、引き継ぎはもちろん、

・運営マニュアルを作ってくれたり

・無償のサポート期間などを設けてくれたり

・月に数回は面談をしてくれたり

と、あとはスタッフ全員で継続して運営していけば、おおよそのスキル習得までに適切なフィードバックを売り手から受けられることができます。

また、シンプルに稼ぎたい!という目的であれば、こちらの記事も参考にしてみてください。

>>サイト売買で稼ぐ方法とは?サイト売買で儲かる3つのノウハウ-買主編

興奮しているときほど注意

サイト買収する際は、売買案件から”お宝”を発掘していく作業に近いものがあります。「これはいいサイトだ!」と、興奮しているときこそ注意です。

その買収の目的は何か?と、常に自問するようにしてください。

これができていれば、少なくとも後悔するような買収はなくなるはずです。また、必然と成功確立も上がってきます。

また、こちらの書籍のように、客観的なプロの意見を聞くことも重要です。

>>「この1冊でわかる! M&A実務のプロセスとポイント」要約や感想

どんな買収であっても、一旦は立ち止まって考えるようにしましょう。