「この1冊でわかる! M&A実務のプロセスとポイント」要約や感想

この1冊でわかる! M&A実務のプロセスとポイントを読みました。

サイト売買(サイトM&A)においても参考になる部分がありました。

実務にスポットを当てているため、具体的なM&Aの流れを知りたいという方にもオススメだと思います。

本書から、サイト売買(サイトM&A)に関連して役に立つ部分を3つだけご紹介したいと思います。

実務的な内容は本書をお読み頂ければ解説不要と思いますので、サイト売買(サイトM&A)を行う上でのあり方や考え方にフォーカスしてみたいと思います。

M&Aアドバイザーに依頼するメリット(P11)

M&Aアドバイザーに依頼するメリットは、幅広いネットワークで相手先を見つけることができること、専門的なアドバイスを得られること、本業の経営や業務に専念することができることです(引用:P11)

サイト売買(サイトM&A)においても同様なことが言えます。例えば、サイト売買(サイトM&A)では「直接プラン」という方法を仲介サイトが提供しています。

具体的には、仲介サイトの掲示板のようなものを使って、売り手と買い手だけでM&Aを進めていくというものです。お手軽であり、スピーディに決着が付くケースもあり、利用者も多いことが特徴です。

しかし、その反面トラブルも多く、嫌な気分になることもよくあります。「売り逃げしてやろう」「安く買い叩いてやろう」腹の底でそう思っているであろう相手と交渉をしたこともありますが、良くない気分になるだけでした。

基本的には掲示板のようなものでメールのやりとりになりますので、相手は言いたいことズバズバと感情なしに伝えてくる方が大半です。「せっかくつくったサイトなのに心ない人に売りたくない」「不親切な対応過ぎて本当にサイトを購入しても大丈夫だろうか」と、不安になることはしばしばあります。

そんな気持ちでは本業に集中できませんし、あくまで掲示板でのマッチングになるので、幅広い相手先にアプローチはできません。本書にあるように仲介のプロに依頼することで、上記内容は解決できることは私たちも同意します。

また慣れていないと時間がかかることが大半です。慣れていない交渉はどうしても悩むことが多くなるからです。

つまり、自分たちで何でもやろうとしても、「大半はうまくいかず時間もかかり、コストもかかり、結果的にはじめから仲介のプロに依頼した方が良かった」ということになりかねないということです。

事実、私たちが運営しているサイトマでは、仲介プラン(仲介のプロが代わりに交渉などを進める)のみ提供していますが、「はじめから依頼しておけば良かった」という声はたくさん頂きました。

特に初めての方、サイト売買(サイトM&A)に慣れてない方は、プロの仲介に思い切って任せてしまう方が、断然コスパはいいです。

トップ面談の留意点(P110)

特に、最初のトップ面談では、好意的な第一印象を与えておきたいところです。そのためにも、時間に遅れない、服装や髪型などの見た目に気をつける、言葉遣いに配慮する、好意を示す、評価点を伝える(誉める)などは意識して行った方がいいでしょう(P110)

普段、サイト売買(サイトM&A)の仲介を行っている私たちも売主様、買主様に意図的にこのようなことを伝えています。交渉には必ず面談の場を設けていますので、礼儀のある面談になるように心がけています。

そもそも、サイト売買(サイトM&A)は「お金を出してビジネスを売り買いする」ということには変わりありません。しかし、あくまで人と人との取引です。ましてや日本人同士の取引となれば、礼儀や尊重する気持ちがなければM&Aは成立しません。

仮に相手に不信感を持ちながらM&Aをしたとしても、譲渡後の運営サポートやアドバイスを受ける期間で衝突し、結果的にサイトがうまく運営できないという事例をいくつか知っています。

よって、私たちは売主様と買主様の相性が悪いと判断したら取引を中止することをアドバイスしています。数字やファイナンスの知識を売主様、買主様が持ち合わせていることも理想ですが、それ以上に相性が大事だと捉えております。

いくら数字の面で納得していても、根本的に嫌いな相手と取引したところで感情が付いてきません。途中から取引が面倒になったり、対応が遅くなってしまうことが多々あります。

そうなる前に、勇気を持って取引を中止すべきなのです。しかし、プロの仲介がいないと相談もできずにズルズルと取り返しのつかないところまで進んでしまうこともあるので注意が必要です。

M&Aがもたらす社会的意義(P190)

優良企業の廃業を防ぎ、雇用の継承を行うことは、日本の経済損失を避けることにもつながります(P190)

これはサイトに関してもまったく同じです。過去にサイトマのお客様で、「ネットショップ作業中に怪我をしてしまい運営できなくなった」という60代の売主様がいらっしゃいました。

しかし、すでにお客様も待っている状態で、商標権なども取得しており、ノウハウも十分にあるとのことで閉鎖するのはもったいないとのことで相談があり仲介を任せていただきました。結果、たった2か月後に買主様が現れて円満な取引で譲渡が完了しました。

このように、価値あるサイトを何かしらの理由で運営できずに泣く泣く閉鎖してしまうことなく、きちんとサイトを継承してくれる人に譲渡するという選択があります。

こうなるとサイトは生きます。引き続きお客様に商品を発送できます。また、新商品を販売したりとさらなるサイトの成長につながる可能性があります。これがひいては日本経済に貢献することになります。

サイト1つの経済効果は少ないかもしれません。しかし、今では星の数ほどあると言われているウェブサイト全てがきちんと継承されていけば、とてつもない経済効果となるのは目に見えています。

サイト売買(サイトM&A)は、単なるビジネスの売り買いではなく、国に貢献できる稀有な取引であることを多くの方に自覚してほしいと思います。

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