「サイトを買収したいんだけど、どうやってやるの?」と、疑問ではないでしょうか?
実際、はじめての場合、どのような流れで売買を進めていけば良いか分かりませんよね。知識がないというだけで失敗こそすれば、何百万円、何千万円というお金を損することになります。
そこで、買収する際のサイト売買の流れを10個のステップに分割して、1つずつ解説していきます。
それぞれにコツや注意点がありますので、買収してみたい方は、本記事をブックマークなどされて何度も読み返してみてください。
交渉が進むにつれて、本記事が地図のような役割を果たしてくれると思います。
参考になれば幸いです。
目次
1、プランを決める
現在、サイト売買ができる仲介サイトはいくつも存在しています。それぞれ特徴がありますが、買い手として気になるのは仲介手数料だと思います。
大きくわけて2つのプランに分けることができます。
・直接プラン:自ら売り手と交渉を進めるプラン。場合によっては契約書なども自分で作成する。
・仲介プラン:仲介サイトが売り手を紹介してくれるプラン。契約書は作成してくれるところが多い。
直接プランの方が仲介手数料は安くなっています。おおよそ、売買金額の3%前後です。
しかし、安いということもあり、仲介サイトは売り手とのマッチングだけで終了することも多く、契約書の作成などは代行してくれない場合もあります。
対して、仲介プランは売買金額の10〜15%前後と高めですが、売り手や案件を紹介してくれるだけでなく、契約書の作成を代行してくれたり、交渉も円滑に進められるようにサポートしてくれます。
どちらも一長一短ありますので、自分が良いと思うプランを選びましょう。
ちなみに、仲介サイトによっては、直接プランしか提供していない、あるいは仲介プランのみ提供、両方提供しているなど、様々です。
最低でも、7社以上は問い合わせや閲覧をして、自分に合うプランと仲介サイトを見つけておきましょう。
2、仲介サイトで案件を探す
さて、プランがおおよそ決まったら、まずやることは、買収したい案件を探すことです。
多くの仲介サイトでは、実際にサイトURLは公開されていません。公に公開されている情報は、売上、PV数、ページ数などです。
つまり、売却サイト一覧を見ても、表面的な情報しか得ることができません。
しかし、おおよその数字さえわかってしまえば、「自社あるいは自分で運営できる規模のサイトなのか?」「サイトのジャンル的に経験があるのでできそうだ」など、判断ができます。
ここで重要なことは、数字や簡単なサイト紹介で、目ぼしいサイトを発掘する習慣をつけておくことです。
仲介サイトのメルマガ登録はもちろん、案件一覧をブックマークしておき、定期的に閲覧してみましょう。ある時、「これだ!」という、お宝のような売却サイトを発見することができます。
3、興味があるサイトへ問い合わせ、売り手or仲介サイトから連絡を待つ
全てのサイトに問い合わせをすると、迷ってしまうため、1度に3〜5サイトほどの問い合わせに留めておきましょう。
各仲介サイトの案件ページの最下部に問い合わせフォームがあるはずです。問い合わせそのものは無料でできる仲介サイトがほとんどです。遠慮なく、どんどん問い合わせしてみましょう。
サイト情報をもらうのはタダ。
しかし、買収を見送るという連絡は、仲介サイトに必ずメールか電話するようにしましょう。情報をだけを抜き取っているのではないか?と、仲介サイトに目を付けられると、問い合わせができなくなってしまいます。
濡れ衣を着せられることほど、残念なことはありません。「このサイトはないな」と思ったら、すぐにお見送りメールをしましょう。
4、交渉を進める
「このサイトは前向きに検討したい」そんなサイトは探していれば見つかるものです。しかし、ここで興奮して前のめりにならないようにしてください。売り手が引いてしまいます。
そうではなく、慎重に丁寧に交渉を進めていきましょう。
具体的には、
・メールだけではなく、電話あるいは対面で交渉する
・価格交渉は最後にする
・買収後の運営は自信があることを伝える
などなど、売り手の不安感を払拭していく作業が重要になっていきます。
ここで売り手に逃げられてしまう買い手の特徴としては、
×いきなり買収意思と価格交渉を進めてしまい売り手を急かす
×しつこい値下げ、大幅な値下げを要求する
×売り手を尊重せず、金をちらつかせる
などなど、痛い買い手は多く存在します。あなたは、ぜひとも痛い買い手にならずに、紳士かつ巧妙な交渉術で売り手を口説いてください。
5、売り手と合意する
交渉をして、値段や契約内容が決まったら、売り手と合意します。
ここからは仲介サイトによって異なりますが、失敗しない買収はここでメールなどで合意し、仮契約状態にしておくことです。
売り手は他の買い手と交渉していますから、他の方に売却しないようにブロックしておくのです。売り手の方も、メールで合意したことで、他の買い手への交渉はほとんどの場合、止めておきます。
しかし、「8、契約書を作成し交付する」が完了するまでは、売り手も他の買い手を選ぶ権利がありますので、気を抜いてはいけません。
6、NDAを取り交わしデューデリをする
契約書を作成する前に、サイトのデューデリジェンスを行います。デューデリジェンスとは、買収前の監査と言われており、売り手のサイトを精査する重要な作業です。
ここで、しっかりと精査しておかないと、買収後に大変なことになります。
そこで、売り手とNDA(秘密保持契約)を結んで、サイトに関する全てのデータをもらって、申告されたデータが正しいのか?ウソはないか?を、しっかり確認してください。
不思議なことに、多くの買い手がこの作業をしません。だから失敗するのです。
「売り手を信じよう」と、あまい気持ちではいけません。売り手だって申告したデータを間違えている可能性だってあります。
しっかりと売り手からデータをもらって、正しいサイト情報を確認して、あらためてサイトを確認してください。
ここで売り手が情報を出し渋ったら、見送ってください。あなたを騙そうとしています。詐欺に近い取引をさせられますので、潔く御断りしましょう。
7、契約書を作成し交付する
仲介サイトが代行で作成してくれる場合は非常に楽です。
しかし、自分で作成する場合、抜けがあることによって、買収が不利になるケースもあります。重要なことは、売り手と買い手が公平であることです。そういった契約書をつくりましょう。
自分たちで作成できない場合、弁護士や司法書士に依頼して、正式な契約書を作成しましょう。依頼した代金は売り手と折半すれば、負担も少なくなります。
だいたい費用は相場で3万円ほどになりますので、あなたの負担は1万5千円前後になるはずです。
これをケチって、後日大変なことになるよりは、必要経費と割り切って、しっかりと正しい契約書をつくりましょう。
8、入金をする
仲介サイトのほとんどで、エスクローサービスを提供しています。これは、代金預かりサービスで、全ての手続きが完了するまで、仲介サイトが預かってくれるサービスです。
つまり、売り手に入金したら音信不通になってしまった…というような、詐欺まがいな取引を防ぐことができます。
必ず利用するようにしましょう。
売り手に直接入金する方法は、あまりオススメしません。なぜなら、音信不通にならなくても、売り手は入金があった時点で連絡や行動が遅くなることがほとんどだからです。
よって、今すぐにでも運営したいのに、ずるずると長引いて、あなたのモチベーションが下がる危険性もあります。このようなことを防ぐためにも、エスクローサービスは必ず利用するようにしてください。
9、サイトを受け取る(サイトの引っ越し)
仲介サイトに買収金額を預けた後、売り手からサイトを受け取ることができます。
やることは2つです。
・サーバーの移転作業
・ドメインの権限移管作業
サイトの引っ越しと言っても、やることは2種類ある訳です。しかし、あなたにも売り手にも、引っ越し経験がなければ、残念ながらサイトが手に入りません。
そういった場合、売り手のサーバーアカウント、ドメインアカウントごと譲ってもらうしかありません。ですが、売り手のサーバーには複数のサイトが入っていることも多く、アカウントが渡せないことがほとんどです。
そこで、サイトの引っ越しを行ってくれる業者を探して、売り手と折半で費用を負担した方がもっともスムーズです。費用も3万円前後ですから、あなたの負担は1万5千円ほどです。
ここをケチって自分たちで行ったために、サイトが消滅してしまった…、という、悲惨な事態を避けるためにも、確実に引っ越しができる選択をしましょう。
10、検収し運営スタート
無事に自分のサーバーにサイトが移動され、ドメイン権限ももらったら、最後に動作チェックをします。
サイトにログインをしたり、もらった顧客リストの数があっているか、在庫が破損していないか、などなど、細部までチェックしていきましょう。
問題がなければ、検収終了を宣言しましょう。仲介サイトが売り手へ購入金額を振り込んでくれます。
これがサイト売買で買収する際の流れになります。
1つ1つ丁寧に進めていくことで、買収の成功は可能性が高まってきます。焦ってしまうと、チャンスを逃すだけでなく、変なサイトを摑まされてしまう恐れもあります。
慎重に。慎重に。
きっと、あなたにぴったりの案件は見つかるはずです。1〜10のステップは何度も読み返して、知識としてください。
あなたのサイト買収が成功されることを応援しています。
お読みくださり、ありがとうございました。