M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる(和家智也)要約や感想

M&Aエグジットで連続起業家(シリアルアントレプレナー)になる(和家智也著)を読みました。

むずかしいイメージのM&Aを非常に簡単にわかりやすく書かれていました。

M&Aの概要をざっと掴みたい方にはオススメです。

文字数も多くないので、サクッと読むことができます。

(会社を売却したい人向けに書かれていますので、買収した人向けではありません)

本書は、著者の和家智也氏らしい、誠実で真面目な内容を丁寧に書かれています。

安心感を感じる1冊に仕上がっています。M&Aそのものへの不信感はこれで払拭されると思います。

逆にM&Aに対して希望やモチベーションを上げたい方はこちらがオススメです。

読み終えた後「会社売ってみたい!」と、興奮する人が多いと思います笑。いい本です。

>>サクッと起業してサクッと売却する(正田圭著)要約や感想

今回も、サイト売買(サイトM&A)と関連しつつ良かったと感じた部分をピックアップしてご紹介いたします。

売るタイミングがある

これはサイト売買(サイトM&A)でも、まったく同じことが言えます。

しっかりと会社の現状と成長の可能性を見極め、場合によっては「社長、いまは会社を売るべきではありませんよ」といえるのがプロのM&Aアドバイザーだと思うのです(引用:P97)

私がはじめてサイトを売却した際、とにかく不安で仕方なかったです。

「ほんとうに売れるのだろうか?」と、手探りで慎重に進めて行きました。

そんな時、思い切って『今は売らない方がいい』とアドバイスしてくれるプロがいたら、正直もっと高い値段で売れたのだろうと思います。

とくに初めての時ほど、こういうプロがいて欲しかったですね。

当時、焦っていたこともあり、売却の相場や買い手選びがまったく分からずに、とんとんと進んでいった話に乗ってしまいました。

実は、サイトM&A(サイト売買)では、会社の売り買いよりもスピーディー話が進んでいくため、それに対応し臨機応変に適切なアドバイスができるプロが少ないのが現状です。

そういった業界の現状を変えたくて『サイトマ』という、サイトM&A(サイト売買)の仲介サービスを立ち上げたのですが、そこでは過去に何度も「今は売却しない方がいい」とアドバイスさせていただきました。

売り手さんは、まさかそんなことを言われるとは思っていなかったようで「え・・?」という反応になりますが、理由をお伝えすると納得していただけます。

嬉しいことに、数ヶ月後、数年後に再び同じサイトを売却したいと相談に来てくれましたが、ほとんどの方がサイト改善されていました。

今度は「高確率で売却できると思います、一緒に最後までやりきりましょう!」とお伝えしています。

もし、サイトを売却したい場合、根拠なく「ぜったい売れますよ」「うちで売ってください」と、強引に売却を進めてくる仲介がいたら要注意してください。

仕事がなくてあなたのサイトを何としてでも売りたい、ということを考えているかもしれません。

「まさか〜」と思うかもしれませんが、残念ながらサイトM&A(サイト売買)業界は、まだまだ2流の仲介がいるという現実があります。

感情が動く

M&Aという大金が動く交渉の場は、利害と思惑が交錯する生々しい戦場です(引用:P109)

サイトM&A(サイト売買)を経験してみるとわかりますが、想像以上に感情的な取引になります。

淡々と数字だけみて、スムーズにお金の受け渡しが行われて…なんていうことはほとんどありません。

例えば、サイトマを何度も利用いただいているK副社長は「社内の方針でサイトを売却することが決定し納得はしている。

しかし、愛着あるサイトがいなくなってしまうことを考えると、どうしても行動するまでに時間がかかってしまう…」と、赤裸々に語ってくれました。

サイトを売却すると言っても、古本などのように「買って→読んで→売る」というプロセスではなく、「サイトを育てる→成長する→売却する」と、同じ中古品と言っても、感情プロセスが異なります。

特に「育てる」という行動があるため、どんなサイトであっても少なからず愛着が出てくるものです。

そうなると、数百万、数千万円という金額だけでなく、いかに良い買い手に買ってもらえるか?も重要になってきます。

人気ネットショップをサイトマで売却されたある女性の売主様は、「みんな数字ばかり話して、サイトのことを一切褒めてくれなかった。そういう人には絶対に売りたくなかった」と、買い手探しに苦労されていました。

中には非常に腹が立つ交渉を仕掛けてくる買い手もいるので注意してください。

上から目線は当たり前で「お前のサイト買ってやってもいいんだけど?安くならないの?」というタイプは一定数います。

買い手も大金を払う訳ですから感情的になったり、普段と違う態度が出てしまうこともあるのです。こうした人間クサイ感情のぶつかり合いを上手にくぐり抜けていくことが成功のコツです。

ニセモノに注意

実は、M&Aを決められるアドバイザーと、決められないアドバイザーには大きな違いがあります。

〜中略〜

プロのM&Aアドバイザーの世界でも同じです。社長のエグジット成功を思い、一案件ごと真剣に携わった実務経験と実績は比例します(引用:P190)

実務経験がほとんどないのに「仲介やっています」と名乗る人もいるので注意してください。

これはサイトM&A(サイト売買)でも同じことが言えます。

サイトM&A(サイト売買)の世界でもまったく同じです。

もし、相談する相手が本物であるか確かめたかったら「これまで何件ほど取引を成功させてきましたか?」と、思い切って聞いてみてください。

この質問でおおよそ1流or2流の判断はつかめると思います。

ちなみにサイトM&A(サイト売買)の仲介として最低でも50件は成約させてきた実績があると、仲介のプロとして依頼しても良い基準とみて良いでしょう。

正直、仲介の実務や仕事の流れであれば、20件ほど成約経験があれば覚えることができます。

しかし、「売り手の本音と買い手の本音をマッチングさせる」という、極めて難易度の高い仕事を遂行するとなると、最低でも50件は成約させていないと見えてきません。

この50件とは、売り手50人、買い手50人と関わることになります。

つまり、合計で100人と関わって全て成約させ、ようやくプロとしてのスタートを切れるということです。

これはあくまで弊社の事例ではありますが、数名のスタッフに仲介担当を任せた実感値か言えることです。

やはり最低でも100人を成功に導けないとプロとは言えません。サイト売却を依頼する前には、ぜひここを意識してみてください。

まとめ

いかがでしたか?

本書は丁寧にM&Aの概要を説明しているだけでなく、実務からしかわからない地味な部分まで書かれており、とても親近感が湧く内容になっています。

「まずは、M&Aの入門書で勉強してみたい」という、初心者にはぴったりな本だと思います。

繰り返しになりますが、モチベーションが上がるのはこちらの方です。

>サクッと起業してサクッと売却する(正田圭著)要約や感想

こちらも大変オススメですので、機会あればぜひ読んでみてください。

ご覧いただきありがとうございました。