5つの実例から分かるサイト購入の失敗やトラブルを避けるコツ
「サイトを買収して本当に大丈夫かな?」と不安になりますよね?
サイトM&Aの情報はあまりネット上にありません。
ですから、あなたが不安になるのは当然です。知っている人が得をする、そんな業界なのです。
そこで今回は、どういったことからトラブルに発展するか?
という失敗事例をお伝えしたいと思います。
そもそも、なぜこのような記事を書いたのか?
サイトマの創業者である中島がサイト買収で失敗したことがあるからです。
(代表プロフィールにその時の話を掲載しております。)
これは、実に凹みました。そして、非常に残念な気持ちになりました…。
今でこそ、こういった経験から業界を良くしようと活動しております。
これを読んでいるあなたには同じ経験はして欲しくないと思っています。
人は失敗から学ぶことが多いです。しかし、しなくても良い失敗もあります。
サイト買収は、時間もお金もかかりますから、ぜひ他人の失敗から学んでください。
あなたが失敗する必要はありません。
また、私たちサイトマがサービスを開始してから、数々の苦労がありました。
今回は、そういった経験もあなたに公開。
お役に立てるようしっかりと解説していきます。
ぜひ、あなたのサイト買収を成功させて欲しいと思います。
【関連記事】サイト売買の相場は?売却と買収の際、気をつけたい6つのこと
目次
サイト買収時の失敗
サイト売買、特に買収においてやりがちな5つの失敗ポイントを紹介いたします。
初めて売買する方だけでなく、何度かの売買経験から慣れがある方も必見です。
サイト売買においては相手に対する誠実さが欠けたり、慎重な情報収集を怠ると交渉中や譲渡完了後もトラブルが起こる可能性が高まります。
失敗やトラブルを未然に防ぐためにも、以下5点を忘れないよう何度も目を通していただくことをおすすめします。
サイト売買トラブル1:売主からのデータが不十分
まず交渉中にデータをもらっていなかった。
もしくは、判断するには不十分だった。
こういうことがトラブルとしてあげられます。
ここでいうデータとは?
・グーグルアナリティクス
・実際の売上が記載されている通帳
・ASPのスクリーンショットなどのエビデンス(証拠)
などのことです。
これらの提示が行われ、初めてお互いが信頼してサイト売買取引ができると言えます。
中には、メールで数字だけを送ってくる方もいます。
そのデータが本当に正しいかどうかは判断ができません。
さらに最悪のケースになると、サイトのURLのみでいきなり口座に振り込めという方もいます。
↓(実際に送られてきたメール)
しかも、この方はサイトも作成するということも提案しています。
もはやサイト売買ではなくサイト制作の受注になっています。
実際、こういった方は今でもいますのでぜひ注意してください。
そうは言いつつも、
「こういう人からサイトを買ってしまいました。どうしたらいいですか?」
【関連記事】サイト購入で大失敗する「競業避止義務の記載漏れ」
自分は大丈夫、と思っている人ほど注意です。
データに関しての契約書作成のポイント
ちなみに、契約書には「双方でウェブサイトの情報を共有し確認した」という内容を入れるのがベストです。
そうでないと、データに虚偽が発覚した際にどうしようもありません。
ちなみに、ネット上で拾ってきた契約書の雛形レベルですと、上記のような記載はありませんので注意です。
この記載がないと、もし何かあった時に、「そんなこと契約書に書いてないですよね?」と売り手から反論されてしまう可能性があるのです。
また、上記の契約内容に反してどちらかがデータの確認を怠り、情報の認識に相違が生まれた場合も、トラブルに発展してしまう可能性が高いです。
これは買収するあなたにも問題があるケースがあるので注意です。
ちなみにこちらの記事の最下段部で、実際に確認を怠った買い手がクレームを入れてきた事例を紹介しています。
【関連記事】5つの実例から分かるサイト売却の失敗やトラブルを避けるコツ
(↑実際に送られてきたメール)
なぜか私たち仲介に返却しますとメールがきています。
本来であれば売り手に直接交渉すべきところです。
おそらく契約書をしっかり読まずに契約した可能性が高いと考えています。
サイト売買の仲介者は結婚相談所のようなもの。
マッチング後、離婚するとか別居するは、2人で決めることです。
当然ながら契約した内容が全てになりますので、あなたはきちんと契約内容を吟味することです。
どんなにダダをこねてもサイト売買後は思い通りになりません。
【関連記事】サイト売買には法律がない?!法律よりも大事な契約書5つのポイント
売り手とNDAを交そう
お互いが後味の悪い取引にしないためにも、売り手から正規のデータを入手してください。
正規のデータを得るためには、まず秘密保持契約(NDA)を締結する必要があります。
NDAに自分の住所を記入し、信頼を得た上で話を進めるのがいいと思います。
多くの方がこれをやらないので、疑心暗鬼になるのです。
顔が見えない取引になることが多いので、こういったところで信頼を獲得しにいきましょう。
サイト売買トラブル2:契約段階でもめる
2つ目にお伝えしたいのが、契約書作成の時に揉めることがあるということです。
売主と買主の双方に言い分はあるかもしれませんが、必ずフラットな契約書を作らなければなりません。
要するにwin-winな内容で、どちらにとってもメリットがあるものです。
そのために重要なポイント。
それは、弁護士や司法書士など第三者を交えて契約を取り交わすことです。
当事者間で行うと、契約書を作成した方、あるいは、立場が強い方に有利な内容になってしまいがちです。
後のトラブルに繋がってしまったり、契約の段階で揉めて取引が途中で破断ということもあるので注意が必要です。
あなたのスピーディーな対応も必須
契約書を取り交わす時には、その内容だけでなく、迅速な対応を心掛けなければなりません。
過去には、多忙で連絡や対応が遅れてしまい取れなかったため、売り手が疑心暗鬼になってしまったというケースもありました。
結果、売り手が「信頼できないので売りたくない」と売却をやめてしまいました。
何も難しいことはありません。
・なるべくその日のうちにメールを返信する
・契約書は到着したら数日以内に返送する
こういった基本的なことさえやっておけば問題ありません。
そもそも高額な取引だからこそ、誰しもが遅滞なく進めたいと考えるのは自然なのです。
あなたが契約書の送付や送金が遅れてしまうと、売り手を不安にさせてしまうことになります。
そうなると売り手は「この買い手は大丈夫かな?」と、疑いはじめます。
契約書の中には「手続きが滞った場合は解除できる」というような一文を入れることが一般的です。
つまり、あなたの対応が遅れてしまうと、あと一歩のところで契約が白紙になってしまう可能性もあるのです。
買収するためには、あなたの迅速な対応をするというのも重要なポイントです。
【関連記事】サイト売買の契約書は無料ダウンロードできる雛形でやってはいけない
サイト売買トラブル3:口約束はしないこと
これは非常に大事です。売り手様とは、口約束をしないということです。
売り手様と打ち合わせをするにあたっては、必ず議事録を取る、電話やスカイプでは録音をするということをしましょう。
つまり、言った言わないを0にすることです。
過去に私がサイトを買収した時の話です。
売り手の担当者と会話が盛り上がり、サイトの改修などの様々なサポートをしてくれるという内容で話がまとまりました。
しかし、当時の私は契約書作成にそこまで重要性を感じていませんでした。
恥ずかしい話ですが、早く起業をしたくて焦っていたので、細かい部分はないがしろにしていました…。
そして、契約書に口頭で約束したサイトの改修等を盛り込むことをしませんでした。
結果的に、譲渡後にサイトの改修はして頂けませんでした。
さらに、現在であれば一般的になった運営サポートもありませんでした。
それだけでなく、付随するSNSやマニュアルも譲渡する、という記載もありませんでした。
この2つに関しては、なんとか頂けました。
が、譲渡されなくても文句が言えない内容で契約していたのでした。
残念ながら、自分が想定していた契約内容とは違ったものでした。
しかし、正式に合意した契約こそが正式なものになりますので簡単には覆りません。
私が自己責任で合意したので、異議を申し立てるようなことはしませんでしたが、信頼していただけにショックだった記憶があります。
しかし今思えば、信頼しているからこそ契約書に記載し、双方にとって良い取引にすべきでした。
過去の私の経験を教訓として、口頭で約束したことは必ず契約書に書くということ気をつけてください。
【関連記事】サイト売買のリスクとは?知らないと大損をする買収前の2つのリスクヘッジ
サイト売買トラブル4:運営サポートについて
4つ目は、譲渡後のサポート内容について。きちんと話合い契約書に明記するということです。
サイトによっては譲渡後に売り手のサポートがつくことがあります。
これを頼りに買収される方も増えてきました。
しかし、そもそも売り手にとっては、サイトの売却が完了した時点で目的は達成されてしまいます。
そのため、譲渡後は連絡が遅くなってしまったり、そもそも連絡がとれなくなった、という話も聞きます。
よって、譲渡前の話合いで、
・サポートは何ヶ月間行うのか?
・具体的な内容はどうするか?
・メールで行うのか、電話でも対応可能なのか、月1で対面で行うのか?
など、案件と売り手買い手の事情により、様々なパターンがありますので、事前にしっかり決めておいた方がいいです。
そして、それをしっかりと契約書に明記しておくことです。
細かい記載は譲渡契約書には必須です。
しかしながら、身動きが取れないガチガチの内容でまとめると、何かある度に売り手と険悪な関係になります。
細かい記載はあるけども、フレキシブルに対応できる。
ちょうどいい契約書作成をするべきです。
【関連記事】サイト売買の案件を閲覧した際あった方が良いサポート期間とは?
サイト売買トラブル5:セールスに注意
最後5つ目は、サイト売却ではない案件。
つまり、セールス目的の釣り案件に気をつけるということです。
例えば、サイト売買ができるプラットフォームで気になる投稿に問い合わせてみます。
すると、サイトそのものはすでに売却済み。
しかし、「同様のサイトを制作できる」というような商品パッケージを売り込まれるというケースです。
サイトが欲しいあまり、焦って決断をすると、そういった人たちに引っかかってしまうでしょう。
また、決算前で焦ってお金を使いたい時も引っかかりやすいので注意しましょう。
そして、トラブルに発展。お金を取り返せなくなるという事態に陥ることも考えられます。
このようなトラブルからサイト売買自体にマイナスの印象を持ってしまうのはもったいないです。
まさか、そんなことある?と思うかもしれません。
が、私たち売却専門サービスにも、すでに数件こういった相談が寄せられています。
あなたが焦っているときほど、冷静な判断ができず、こういった手口に引っかかりやすいので、注意してください。
ちなみに、こういった釣り案件は手数料が安いサイトに集まりやすいです。
釣りたい側に立ってみると当然なことだと思います。
手数料が安いサイトを使う場合は、気をつけましょう。
【関連記事】サイト売買詐欺とは?注意点と防衛策を解説
サイト売却時の失敗
ここまでは買収する側を中心に話を進めてきましたが、売る側にも特有の失敗・トラブルがつきものです。
失敗に繋がりやすい行動を4点紹介いたしますので、売却を検討されている方は入念にチェックしてみてください。
売却目的・優先順位をハッキリできていない
新規事業の資金に充てるため、まとまった資金を趣味に使う、運営に回せる時間がないため誰かに引き継いでもらいたい、などサイト売却の目的は様々です。
「何故サイトを売却したいのか」という目的をあらかじめハッキリさせないと、
・売却までのアプローチが決められず、長期戦になる
・サイトへの愛着からマリッジブルーのようになり、成約直前でキャンセルしてしまう
・売れたはいいが、価格面や譲渡後のサポートで不満が残る
このような事態に繋がる恐れがあります。
サイト売却を成し得た後の人生をしっかり想像しておく、この作業が意外と大切です。
同じく重要な作業としてサイトマでは売却に際して「高値で売却」「早期に売却」「とにかく売れること」「買い手との相性」など、どのポイントに重きを置いて売却を進めていくかの確認をしています。
優先順位に沿って売却方針を決めることで、買い手とのマッチングがスムーズにできるよう進めていきます。
この作業を怠ってしまうと後々になって
「もっと高く売れたんじゃないか」
「他に良い買い手がいたのでは」
「時間を使いすぎて次の事業のチャンスを逃した」
などの後悔を生んでしまいます。
提供する情報の不足
売却を検討されている方の中にはサイトのURLやざっくりとした売上とアクセス数のデータさえあれば売却できる、とお考えの方が稀にいらっしゃいます。
サイト売却はそんなに甘いものではなく、情報が足りなければサイトを売却するというステージに上がることすらできません。
売上・アクセス数のデータ以外にも、
・具体的なマネタイズ方法
・運営スケジュール
・サポート内容
・サイトコンテンツ以外の譲渡対象物の詳細
・成績低下が予見される情報
など、マイナス面も含めてありとあらゆる情報を共有する必要があります。
これができて初めて、買い手との立場が対等になります。
サイトをよく見せようと思いギリギリまでマイナスの情報を隠し、譲渡直前になって後出しした結果、契約が白紙になる…というのも十分あり得ます。
売却に向けて動き出した後に情報共有・公開に難色を示されたため、仲介を中断したケースもあります。
サイトに関わる全ての情報の共有が、売却に向けての第一歩です。
動きがない時の対応が雑になる
売却をスタートしたはいいものの、交渉件数など動きがあまり見られない、という事態は決して少なくありません。
その際には価格変更やアピール内容の見直しなどの対策を講じますが、時間の経過と共にモチベーションが低下してしまい、レスポンスが遅くなるなど対応が雑になる売り手様がいらっしゃいます。
上記したようにスピーディなレスポンスができずに契約が白紙になってしまう事例もありますし、優良なサイトでも売買成約に至るまで1年以上かかってしまう場合もあります。
売却することがストレスにならないよう、スピーディな対応を心がけるのが無難です。
サイトの運営を止めてしまう
売却がスタートしたことに安心して、サイトの運営を止めたり更新ペースが緩やかになってしまうケースがあります。
運営が滞ることは、売上やアクセス減少に繋がる可能性があります。
「聞いていた話と違う!」というトラブルを回避するためにも、譲渡完了直前までできる限り通常通りの運営を継続されることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
以下の買収時5つ、売却時4つの注意点について解説してきました。
買収時
1、売主からのデータが不十分
2、契約段階でもめる
3、口約束はしないこと
4、運営サポートについて
5、セールスに注意
売却時
1、売却目的・優先順位をハッキリできていない
2、提供する情報が不足している
3、動きがない時の対応が雑になる
4、サイトの運営を止めてしまう
これはサイト売買では実際に起こった話で、あなたにも起こる可能性が十分にあります。
世の中、全員が全員、良い売り手というわけではありません。
注意をして見極めるようにしてください。
しかしながら、サイトの買収はとても素晴らしいものです。
散々マイナス面を書いてきましたが、買収後に売上が20倍になったというケースもあります。
現在もそのサイトからは安定したキャッシュフローがあるようですので、すばらしい成功事例だと思います。
この記事は、あなたにサイト買収をやめてほしいと思って書いた訳ではありません。
サイト買収は、翌月からいきなり売上が発生するという極めて稀な企業活動です。
当然ながら、すでに売上があるサイトに限った話ですが、ある程度構築されたサイト買収ですと時間を買うことになります。
目的地までショートカットできる。それがサイト買収の醍醐味でもあります
ご覧頂きましてありがとうございました。少しでもご参考になれば幸いです。