メディアマネタイズとは?Webメディアを収益化する9つの手法
「サイトやブログを運営しているけれど、収益化できない」
「メディアってどうやってマネタイズしていけばいいの?」
この記事をご覧になられている方の中には、そんな悩みを抱えているのではないでしょうか?
ここでは、メディアマネタイズの手法や、現在のメディアマネタイズのトレンドまで詳しく解説していきます。
なかなか成果が現れない方、これからメディアマネタイズに取り組む方にとって参考になりましたら幸いです。
メディアマネタイズとは
「メディアマネタイズ」というフレーズを今回初めて聞いたという方もいると思います。
そんな方に向けて、まずはそもそもメディアマネタイズとはどんなものなのかについて解説します。
メディアマネタイズとは簡単に言い換えると、「あなたが運営するメディアで、お金を稼ぐこと」です。
この「メディア」の中には、企業ホームページやアフィリエイトサイト、オンラインサロンなど様々なものが含まれます。
(広義には新聞や雑誌なども含まれますが、本記事ではWEBメディアに限定した内容となります。)
詳しくは後述しますが、一口にメディアを収益化するといっても色々な方法があります。
また、時間が経つにつれてマネタイズの方法やトレンドも変遷します。
これからメディア運営をする開始するのであれば、あなたの既存ビジネスと相性がいいものを選択することが重要です。
反対に「既にメディアを運営しているが収益化出来ていない」という方は、大きなチャンスが眠っているかもしれません。
本記事で紹介する手法の中には、少ない資金でトライできるものもあるので、是非ともチャレンジしてみてください。
メディアマネタイズの手法
それでは、メディアマネタイズの具体的な手法の紹介をしてきたいと思います。
メディアマネタイズの手法は、大きく分けると下記の三種類のいずれかになります。
・企業(広告主)からお金をもらう、広告マネタイズ
・顧客(ユーザー)からお金をもらう、ユーザーマネタイズ
・メディアそのものを売却し、売却益を得るメディアM&Aマネタイズ
もちろん、どれか一つの手法に限定する必要はなく、それぞれ組み合わせて併用することも可能です。
それぞれ細かく分類しながら、詳細を解説します。
広告マネタイズ① 純広告
純広告とは、メディアの一部の枠を企業に買い取ってもらい、その企業の広告を掲載するという手法です。
甲子園球場や東京ドームなどの大規模な施設に、様々な企業の看板が設置されているのを見たことがないでしょうか?
純広告は、そのような看板広告と全く同じ仕組みです。
具体的な例を紹介すると、Yahoo!のトップページの右側部に表示されている、下記の画像のようなものが純広告です。
掲載方法はそのメディアによって異なりますが、純広告は一般的には数ヶ月〜数年という単位で契約し、掲載します。
そのため、純広告は最も安定して金額を稼げるマネタイズ手法の一つです。
一方で、まだアクセス数が全くない誕生したてのメディアには、どんな企業も広告を打ちたいとは思わないですよね。
一定のアクセスを稼いでおり、なおかつ広告主とのシナジーがありそうなメディア向けの手法といえるでしょう。
広告マネタイズ② ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、記事・コンテンツに自然に溶け込んだ形で表示される広告です。
フィードの内部に広告を混ぜて表示させることから、インフィード広告と呼ばれることもあります。
こちらもYahoo!からの引用例ですが、記事コンテンツの中に、記事コンテンツと似た形で広告が掲載されています。
ご覧の通り、一眼で広告と分かりにくく、メディアのデザイン性を損なうことなく広告を導入できます。
またユーザーに広告と思わせることなく、自然な流れでクリックを誘導することが可能です。
アフィリエイトサイト、ニュース・キュレーションサイト、SNSなどには最適の広告と言えるでしょう。
ですが、そのメディアのコンテンツだと思ってクリックしたユーザーが、不快な気持ちになってしまうリスクもあります。
ユーザーの反感を買わないよう、過剰に配置せずにバランスを考えて導入するといいでしょう。
広告マネタイズ③ アフィリエイト
ご存知の方も多いと思いますが、アフィリエイトとは、「成果報酬型」と呼ばれる広告です。
広告主企業の商品やサービスが、広告掲載されたメディアがきっかけで購入されることで、メディアに報酬が支払われます。
A8netなどのアフィリエイトASPと呼ばれるプラットフォームから、あなたのメディアに最適な広告を選択可能です。
アフィリエイトは成果報酬型なので、クリックさせることがゴールであるネイティブ広告と異なります。
よって、記事コンテンツ内で商品・サービスの魅力をしっかりとPRすることが重要になります。
上記の通り、広告主としては成果が出た時にのみ、広告掲載メディアに成果報酬を支払う仕組みです。
そのため、アフィリエイト広告を導入すること自体はハードルが低く、手軽にチャレンジしやすいマネタイズ方法の一つです。
一部各広告毎の掲載審査が存在するものもありますが、まずは一度アフィリエイトASPに登録してみるのもいいと思います。
広告マネタイズ④ アドネットワーク
アドネットワークとは、複数のWEB媒体に一括して広告配信するシステムの総称です。
やや難しい表現になってしまいましたが、アドネットワーク広告の代表的なものとしてはGoogleアドセンスがあります。
まず広告主は、自社のサービスをGoogleディスプレイネットワークというアドネットワークに出稿します。
すると、色んなGoogleアドセンス掲載サイトに広告を自動的に出稿できるという仕組みになっています。
Googleアドセンスが、アドネットワーク広告の中でも規模や認知度において圧倒的No.1です。
よって、まず初めに試すアドネットワーク広告はGoogleアドセンスで問題ないと思います。
こちらはアフィリエイト広告とは異なり、クリックされるごとに報酬を得られる「PPC(Pay Per Click)型の広告」です。
Googleアドセンスの利用には審査が必要ですが、コンテンツが充実しているサイトであれば、1ヶ月程度で導入することが可能です。
【関連記事】買収サイトでアドセンス審査通過するには?サイト売買のプロが解説
ある程度慣れてきた段階で、他のサービスを検討してみるといいでしょう。
忍者アドマックス、UZOUなどもアドネットワークシステムによって配信されている広告です。
情報収集も兼ねて、参考までに確認してみるといいでしょう。
ユーザーマネタイズ① 自社商品、サービスの販売
ここからは、ユーザーから直接お金をもらう、ユーザーマネタイズ型の手法となります。
まず代表的なのは、ECサイト運営や自社商品の販売を行うメディアの運営です。
言うまでもなく、既に物販ビジネスをしていたり、商材を仕入れたりできる環境が必須となります。
さらに、メディアで自社の商材を販売するためには、ECカートシステムの導入が必要です。
ECカートとは、オンライン上で販売するために必要な機能がパッケージになったものをイメージしていただければOKです。
決済手続き機能や、配送先・配送方法を選択する機能などを、簡単に導入することができます。
近年は初期費用・月額費用無料のものも多く、手軽に始めやすい環境が揃っています。
代表的なサービスをいくつか挙げると、
などが初心者向けとなります。
下記記事も参考に、最適なものを比較検討してスタートしてみましょう。
【関連記事】ECサイトの作り方を徹底解説。構築の流れと作る際の注意点
ユーザーマネタイズ② コンテンツ販売(デジタルコンテンツ、情報販売)
既存の商品がなくても、あなたが持っている知識やノウハウは、デジタルコンテンツ化することが可能かもしれません。
デジタルコンテンツとは、端的に言うと画像・テキスト・音声などデータの形式で提供される商材のことです。
もし、あなただけが持っている投資ノウハウがあったとしましょう。
そのノウハウを音声データに起こし、価値を感じる人が居れば、マネタイズできるコンテンツになるということです。
また、営業のコツ・仕事術などをテキストファイル教材にして販売することもできます。
上で紹介したBASEでは音楽データ、PDFなどの形式ファイルの販売にも対応しています。
また、近年ではnoteというプラットフォームも急伸中です。
noteでは簡単に有料記事としてテキストや写真などを販売することができるので、マネタイズ可能かのテストをする場として活用できます。
ある程度マネタイズが可能になってきたら、BASEなどのECカートを使ってオウンドメディアで販売を展開してみましょう。
ユーザーマネタイズ③ サブスクリプション
マネタイズ可能なメディアコンテンツがあり、集客力と知名度がついてきたら、サブスクモデルで展開することも有効です。
サブスクモデルは毎月安定した収益が計算できるため、一度確立してしまえば非常に強力なマネタイズ手法となります。
具体的な例を挙げると、堀江貴文さんや西野亮廣さんのオンラインサロンなどが有名ですよね。
それらは国内でもトップクラスのスケールを持っていますが、実は他にも展開されているサービスはたくさんあります。
ビジネスに関することはもちろん、スポーツ・旅行・料理などなど、趣味の延長線上にあるものもマネタイズ可能です。
オウンドメディアを立ち上げつつ、DMMオンラインサロンでマネタイズできるかのテストをするの有効だと思います。
また、みんサロというプラットフォームもあるため、積極的に活用していくのも面白いかもしれません。
ユーザーマネタイズ④ マッチングサービス
当社サイトマのようなマッチングサービスも、ユーザーマネタイズ型のメディアの一つです。
マッチングサービスとは、ニーズを持っている人や企業同士を結びつける役割を果たすメディアのことです。
ある程度の規模にまで育てば、仲介手数料や掲載料といった形で収益を上げ続けることができるモデルになります。
マッチングプラットフォーム運営は、マッチングするどちらか一方の存在の規模が十分であれば、活性化しやすい傾向にあります。
そのため、既存ビジネスの顧客数が多い、取引先企業が多いという場合はマッチングサービスモデルが最適かもしれません。
詳しくは下記記事にて紹介しておりますので、参考にお読みいただければと思います。
【関連記事】マッチングサイトの作り方とは?種類と気を付けるべきポイントまとめ
メディアM&Aマネタイズ メディア売却
運営しているメディアを売却し、売却益を得るというのが新たなメディアマネタイズ手法です。
メディア売却の利点としては、多額の売却益が得られるということだけではありません。
どのようなメディアであれ、運営し続けるのは根気がいりますし、物理的なリソースも必要です。
専業ビジネスとして運営していても、どこかで運営できなくなるタイミングが来るかもしれませんよね。
メディア売却は、そんな様々な事情によって運営ができなくなった際の最適な選択となります。
当然のことながら、そのメディアに収益力があればあるほど、高く売却できるのは言うまでもありません。
これからメディア運営を開始するという方も、ぜひイグジット戦略の一つとしてメディア売却を候補に入れておきましょう。
具体的なメディア売却の方法などについては、下記記事にて詳しく解説しております。
ぜひともご一読ください。
【関連記事】サイト売却ってどうするの?流れと方法をサイト売買仲介のプロが解説
メディアマネタイズのトレンド
上記の通り、メディアマネタイズの方法は一つではありません。
Web・ITサービスやアプリなどのテクノロジーの発展に合わせ、それぞれの手法が最適化されてきました。
ここでは、現在のメディアマネタイズのトレンドはどのようなものかについて、紹介したいと思います。
広告マネタイズ一強状態が終わり、ユーザーマネタイズが台頭
約10年ほど前まで、ECサイトなどを除き、メディアマネタイズは広告によるものが大部分を占めていました。
その理由は、個人や小規模の事業者がスタートするビジネスとして、広告マネタイズ型メディアが適していたからです。
またよほど信頼性のあるサービス以外に、ユーザーが「ネット上で課金する」ということ自体、高いハードルがありました。
少し意外にも感じるかもしれませんが、今から約10年前のことを思い出していただけると環境の変化をイメージしやすいと思います。
当時のITサービスに関連するトピックをいくつか上げてみましょう。
KDDIがソフトバンクに続き、iPhone(4S)販売を開始したのが2011年のことです。
クラウドストレージサービスiCloudが提供されたのも2011年です。
そして今となってはほぼ全ての人が利用しているLINEも、2011年に誕生しています。
つまり、10年ほど前まで、誰も「LINEスタンプ」を買ったことがなく、「iCloudに課金して写真を残す」こともしていませんでした。
一方、今や「noteで記事を購入する」「マッチングサービスに課金して出会いを探す」ことは全く珍しくありません。
この何年かで、急速にオンラインサービスに課金することへの抵抗意識が無くなってきているのがお分かりになるでしょう。
ユーザーの課金に対する抵抗意識の変化に伴い、ユーザーマネタイズ型メディアが一気に発展しつつあります。
トレンドに合わせユーザーマネタイズに対応するメディアが続々と誕生
そんなトレンドに合わせ、YouTubeも2017年にスーパーチャット機能、いわゆる「投げ銭」に対応しました。
さらにTwitterでも2021年より一部アプリで投げ銭システムの導入が開始されています。
お分かり方と思いますが、いずれもユーザーからお金をもらう、ユーザーマネタイズ型の手法にシフトしていますよね。
決済システムや電子マネーの普及もあり、今後もメディアに対するユーザー課金が強いトレンドとなる可能性は高いでしょう。
加えて、広告マネタイズによる手法は下記関連記事に記載の通り、個人情報保護規制のリスクも抱えています。
【関連記事】ITPとは?サイト運営者の必須知識をサイト売買のプロが解説
完全に無くなることはまずないですが、広告マネタイズは環境が大きく変わりかねない過渡期に差し掛かっています。
今後も魅力的で楽しいメディア、機能的で便利なメディアなどなど、収益力の強いユーザーマネタイズ型メディアは続々と登場するはずです。
そうなると、ユーザーも益々「このメディアが好きだから、お金を払ってでも利用しよう」と考えるようになります。
今後メディア運営を開始するのであれば、このトレンドについては意識しておくべきでしょう。
これからのメディアは、ユーザーマネタイズ型メディアが当たり前になってくるのかもしれません。
メディアマネタイズの課題
様々なメディアマネタイズの特徴について紹介してきました。
対しまして、メディアマネタイズの課題・デメリットについても触れておきます。
メディアマネタイズの最大の課題は、すぐには成果が現れないことです。
あなたがどんなメディアを運営するとしても、十分な成果が現れるまである程度時間がかかります。
数えきれない数のメディアが日々誕生し続けています。
そのライバルメディアを押し退けてユーザーの目に届くまでに育てるには、試行錯誤が必要です。
もちろんそのメディアの作り込みやSEO対策、コンテンツの質などにより多少は左右します。
ですがどれだけ急いでも、一定の成果が現れるまでは最低でも数ヶ月はかかるでしょう。
さらに、メディア運営は個人や中小企業などを含め、誰でも手軽に参入しやすいビジネスの一つです。
その分、類似テーマを取り上げるライバルも増えやすい環境であるのも、メディア運営のデメリットです。
コンテンツの質、閲覧性の高さ、提供サービスのクオリティなどなど、どこかのポイントで差別化が必要となります。
メディアマネタイズを達成するには、質のいいコンテンツを生み出し続ける粘り強さと、絶え間ない情報収集が重要となるでしょう。
まとめ:効率的なメディアマネタイズのためには、コンテンツ力の向上が重要
メディアマネタイズの手法や、トレンド予測についてお伝えしてきました。
当社が取り扱うサイトM&A案件においても、ECサイトやECモールアカウント関連が増加傾向にあります。
アフィリエイトサイトにおいても、LINE@やメルマガなどを運営し、ユーザーの一部にコンサル事業を展開しているという事例も多いです。
このような傾向も、もしかすると「ユーザーマネタイズ型」がトレンドになっている影響を受けているのかもしれません。
どの手法を選択するにしても共通しているのは、ユーザーを強く惹きつける独自性のあるメディア作りが重要になるでしょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。