サイト売買で買い手であるあなたに求められている条件とは?
「サイト売買案件に問い合わせしても、売り手から売却してもらえない」という経験はありませんか?
それだけならまだしも、サイト売買では、問い合わせに対する返信もないケースもあります。
これは一体何が原因でしょうか?
実は、ここを買い手であるあなたが自身がはっきりと自覚しておく必要があります。
あなたにwebサイトを買収したいという意思があるということは、少なからずビジネスをやっているか経験があるのだと思います。
その際、ご存知だと思いますが、もっとも重要であることは「お客(あるいは見込み客)が、何を考えているか?」です。
サイト売買もまったく同じです。売り手が一体何を考えているか?を事前に把握し、買い手として求められていることを売り手に提示する必要があります。
そうでないと、いくら買収に使える余剰資金があろうとも、コミュニケーション能力があろうとも、うまくいかないことが多いのです。
なぜ、ここまで解説できるのでしょうか?
それは、私たち「サイトマ」は、たった1年半で約1億円のwebサイト売買の仲介をしてきた実績があるからです。
【関連記事】サイト売買とは?3億円以上を仲介した私達が教えるサイト(ブログ)売却のコツ
(※2016年の創業より、丸5年間でwebサイト売却累計金額は7億円を突破しました)
これまで、多くの取引に関わってきました。
現在も毎日、売却と買収の相談が寄せられており、うれしい悲鳴をあげている状態です。
このような豊富な経験から客観的なデータに執筆していきます。
お役に立てれば幸いです。
【関連記事】サイト売買の相場は?売却と買収の際、気をつけたい4つのこと
大きなポイントとは?
中小企業庁の経営継続に関するアンケート「後継者に求められる能力等」というデータで、非常に興味深いエビデンスがあります。
出典:中小企業庁委託「企業経営の継続に関するアンケート調査」
ランキングにすると以下のような結果となっています。
1位:事業に関する専門知識
2位:事業に関する実務経験
3位:経営を担う覚悟
4位:人柄・人間性
5位:決断力
6位:営業力
7位:リーダーシップ
いかがでしょうか?
3位以下をご覧ください。
覚悟、人柄、決断力等、だれかに事業を譲り渡そうと考えている人の頭の中は、もはや感情論に集約されていることが理解いただけると思います。
当然ながら、1位と2位にランクインした経験と知識はあった方がいいでしょう。
しかし、あの人気ラーメン「蒙古タンメン中本」の逸話をご存じでしょうか?
一代で人気になった辛口ラーメン「蒙古タンメン中本」は、店を閉めようと考えた先代を説得し、のれん分けしてもらった白根社長によって全国に拡大しています。
当時、白根社長はただの常連客でした。しかし、20年も通っていた大好きなラーメン屋がなくなってしまった。
白根社長は、「ぜひ私にやらせてください!」と先代を説得。何度も断られ「お前だったらいいよ」と許可が出たそうです。
そのとき、当然ながら、白根社長に実務経験はありません。20年も通ったので専門知識は店主よりあったかもしれません。
しかし、30年以上も携わってきた店主としては、とてもじゃないけど素人には無理だ、と考えていたでしょう。
では、なぜ白根社長は、見事に事業を継ぐことに成功したのでしょうか?
結果は歴然ですよね。
こんなに何度も説得してくれるのであれば、覚悟やリーダーシップ、そして人間性もすぐにわかります。
文字通り熱意によって動かされたのです。
あなた本当に覚悟あるんですか?
買い手の中には、「なんか儲かりそうだから」という意思だけで問い合わせをするケースもあります。
もちろん、ビジネスなのでしっかり数字を見て論理的に判断すべきですから、キッカケはそれでもいいのです。
しかし、そういった方は、ことごとく買収に失敗しています。買収先に選ばれないのです。
それだけならまだしも、仮に買収できても「やっぱりうまくできませんでした」と、後日売却を依頼するケースもあります。
この時点で、その買い手には、覚悟なんて全くなかったということです。たまたまタイミングがよく買収先に選ばれただけだったのです。
売り手は、買収先を選ぶ立場にあります。
つまり、あなたは選ばれる立場にあるわけです。
就職でいうと、あなたは就職先を探している学生だと思ってください。
数あるライバルに勝って企業に選んでもらう。
そのとき、選ぶ側(売り手)は、「あなた本当に覚悟あるんですか?」「この人、人間性はどうなんだろう?」「決断力あるリーダーだろうか?」と、あなたを査定しています。
当然、こんなことは面と向かって言いません。
就職の面接と同じです。
「部活は何かやっていましたか?」
「アルバイトから学んだことは?」
など、仕事には関係ない質問をして、結局は会社へどれだけ気持ちがあるか?マッチする人間性なのか?を判断しているわけです。
【関連記事】私のサイト売買失敗談から学べる「買収は自己責任」の意味と3つのポイント
経験があっても買収できない
先日も、人気のサイト案件の譲渡先が決定しました。
その売り手さんの最終的な判断は、「あの社長はいい人だと感じたから」でした。
実は、他にも経験があり十分に社内で運営できるすばらしい買収希望者もいました。しかし、選ばれませんでした。
なぜでしょうか?ここまでお読みのあなたであれば、もうお判りだと思います。
売り手が本当に希望している譲渡先は、他でもない熱意ある方なのです。
これは日本人という民族特性からも納得がいきます。
仮に欧米諸国であれば、一番お金を積んでくれる譲渡先を選ぶことも多いでしょう。
この方のケースだけではなく、ほとんどのサイト売買は感情論が最終的な判断軸になります。
「あの社長の人柄に惚れました」「あの方なら、きっとうちのサイトを成功させてくれると思う」という理由で譲渡先を決定しています。
経験?知識?それは買収後の話であり、買収前の段階では売り手はほとんど重要視はしていない傾向にあります。
買収とは縁である
「私は熱意を持って説得できる自信がない」と、思う方もいると思います。
ですが、ご安心ください。本当に買収したいという案件があれば、売り手に覚悟や熱意は伝わります。
思い出してください。
大恋愛をした際、あなたは確実に自分の思いを相手に伝えていたと思います。
人によっては、ラブレターを書いたこともあるでしょう。
会える時間が短いのに、遠くまで会いに行ったこともあるでしょう。
そのとき、あなたの熱意は確実に相手を感動させています。(かえってその行為が振られる原因となった場合は除いてください。
サイト売買においても、まったく同じです。
本当に自分にとって、これだ!という案件を発見した場合、問い合わせのメール文章も長くなります。
丁寧な言葉になります。電話もするでしょう。会いに行くかもしれません。
極論、案件に対して、情熱が湧くかどうかなのです。
覚悟を見せようと思うと逆効果になります。
そうでなく、自然と覚悟が相手に伝わってしまう。そんな状態がいいわけです。
最後に、ラーメン中本の白根社長を思い出してください。
打算的に説得した訳ではなく、実務経験は全くないけれど大好き過ぎるラーメンなので、ぜひやらせてください!と。
その熱意と覚悟で、今のすばらしい結果です。ラーメン屋としては、大成功でしょう。
ちなみに、楽天トラベルも、YOUTUBEも、買収して成功した事業です。
また、セブンイレブン、東京ディズニーランドも、営業権譲渡という意味では、事実上の買収と考えていいでしょう。
後に、セブンイレブンは本国アメリカのセブンイレブンを買収して事業再生しています。
また、「東京ディズニーランドは直営でやるべきだった」と、本部も大成功に困惑した瞬間があったそうです。
あなたも熱意ある交渉で売り手に覚悟が伝われば、買収後も大成功することは間違いないでしょう。
(サイト売買は、とくにネットだけで完結する取引も多いので、かえってここがむずかしいポイントでもありますが、ぜひ熱量を持って交渉してみてください)
【関連記事】サイト売買の交渉(買収)のコツや失敗しないための4つの価格交渉
まとめ
いかがでしたか?
事業承継は、覚悟、人柄、決断力等、売り手は、もはや感情論に集約されています。
これはサイト売買でも全く同じです。
先日の人気サイト案件の売り手も、人柄や覚悟を見て譲渡先として判断されました。
他にもほとんどの取引が、覚悟や熱意ある譲渡先が選ばれています。
ご参考になれば幸いです。