ECサイトにおけるデザインの重要性とポイントを徹底解説
個人でECサイトを運営するためには、様々な能力とスキルが要求されます。
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中でも、多くの人にとって、「どのようにデザインを決定するべきか」という点は頭を悩ませるポイントの一つではないでしょうか?
本記事では、ECサイトにおけるデザインの重要性とプロセス、決定する際の考え方についてご紹介します。
いくつか事例もご紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
ECサイトにおけるデザインの重要性
言うまでもないことですが、ECサイトのデザインをどのように設定するかは非常に重要な点となります。
トップページやカラーリング、各種ボタンの配置、商品説明、バナーや販促ページのアレンジなどなど、様々な要素にデザインは密接に関わっています。
人と人がコミュニケーションを取る際、影響を与えるのは言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%という「メラビアンの法則」が有名ですが、思っている以上に視覚情報は大きなものです。
普段ECサイトで買い物をしたり、調べ物をしたりする際も、意識しているかどうかに関わらず、意外とデザインから情報を得ているということになります。
一方で、「デザイン」というフレーズを聞くと、つい芸術性の高いものや洗練されてオシャレなものをイメージしてしまいがちではないでしょうか?
ですが、一般的なECサイトにおけるデザインにおいて、芸術的に優れたものであるほど売れやすいかというと、実はそうではありません。
次項以降でもう少し詳しく解説します。
売れているECサイトのデザインのポイント
ECサイトと一口に言っても様々なジャンルのものが存在しており、やはりそれぞれの商材に合わせた傾向は存在するでしょう。
しかし、どんなジャンルであっても売れているECサイトのデザインに共通しているポイントはあります。
それは以下の3点です。
①一貫性・継続性がある
②最適な訴求力がある
③UIが整備されている
①一貫性・継続性がある
売れているECサイトは、明確なブランドイメージやコンセプトがあり、それらをサイトデザインにも浸透させています。
上手くブランディングがなされていると、ターゲットやポジショニングも明らかになって、ユーザーの商品やサービスに対する愛着や信頼性が生まれやすい環境になります。
この辺りはブランディング自体の難しさとも関わってくるので、少しデザインを改善したからといって一朝一夕でECサイトに備わるものではありません。
ですが、長期戦にはなりますが、サイト上のデザインを一貫して保ち、ブレないメッセージを出し続けることはユーザーの安心感にも繋がります。
ECサイトを開始したばかりの方であっても、積極的に狙っていくべきポイントだと思います。
反対に、フォントがバラバラになっていたり、商品画像のテイストがそれぞれ異なっていたりする状態は、あまり好ましくありません。
最悪の場合、「偽物を販売しているのでは?」「転売サイトでは?」という印象を与えかねないので、すぐに改善するといいでしょう。
②最適な訴求力がある
ECサイトで商品を販売する際に、多くの人がついやってしまうことが、とにかく商材の魅力や情報を伝えたいという気持ちが強くなりすぎることです。
購買ファネルにおいては、ユーザーは「認知」→「興味・関心」→「比較・検討」→「購入」というフェーズを経ているとされています。
確かに「比較・検討」以降のユーザーであれば、情報は多ければ多いほどいいかもしれません。
ですが、認知段階のユーザーは、訴求力があまりにも強すぎるデザインだったり、いわゆる売り込みくさくなりすぎると、離脱してしまうリスクも高くなるでしょう。
売れているECサイトの多くは情報がシンプルでわかりやすいデザインにまとまっており、ユーザーが求めている情報を過不足なく提供できているという特徴があります。
次項UI(ユーザーインターフェース)の整備とも大きく関わりますが、それぞれの情報を階層分けしてまとめておくことで、回遊率の向上に期待できます。
③UIが整備されている
UIとは、「User Interface(ユーザーインターフェイス)」の略称です。
直訳では接点や接触面という意味合いの単語ですが、簡単に言い換えると、画面や機能などの「操作性・使いやすさ」の総称のようなものと理解しておくといいでしょう。
例えば、「商品をチェックし実際に購入したい」という状態であるのに、カートボタンがどこにあるかわからなかったり、会員登録画面が見つけられなかったりという経験は一度はあると思います。
そのような状態になると、購買意欲のあるユーザーであっても簡単に離脱してしまいます。
優れているECサイトは、ユーザーがアクションを起こしたいとき、直感的にすぐ操作できるようにデザインされています。
特に近年ではスマホからのアクセスも増加しているため、PCでもスマホでもスムーズに操作できるかどうかは重要なポイントになります。
デザインを決定するプロセス
以上の売れているECサイトのデザインのポイントを踏まえ、どのように決定していくかについて考えてみます。
順序としては、下記の流れで計画立ててみるのがいいでしょう。
1.ブランドイメージ・コンセプトを明確にし、ユーザーのペルソナを設定する
2.トップページ・商品ページの細部を作り込む
3.閲覧しやすく、わかりやすい導線設計になっているかチェックする
まずは、あなたのECサイトをどんなショップにしたいのか、どんな商品をどんなユーザーに届けたいのかをしっかりと棚卸しすることが第一歩目です。
デザインを決めてから自社のブランドイメージやコンセプトを考えるのではなく、まずはデザインの前に決めるべきポイントです。
ショップが持つコンセプトや目指すユーザー層を把握し、それらをデザインに反映させることで、一貫性のあるブランド価値の提供をしやすくなります。
続いて、そのブランドイメージに沿った形でトップページ(ファーストビューとも表現します)と、商品ページやバナーなどのデザインを決定します。
この際、上記にも軽く触れましたが、商品によって文体や写真のテイストをバラバラにせず、一貫性を持たせることでユーザーの安心感や信頼性に大きく寄与します。
いわずもがな、商品画像やテキストなどは商品の魅力にダイレクトに影響するため、この辺りは外注などを頼るのも効果的です。
くれぐれも情報を詰め込みすぎず、上手に取捨選択をしながら取り組むといいでしょう。
その上で、ユーザーがどのように回遊するか、しっかりとアクションを取りやすい機能的なサイトになっているかの確認です。
PCからの表示や使い方はもちろんのこと、スマホから閲覧してチェックしましょう。
以上の流れをひとまとめにして、効果を確かめながら改善していくというサイクルが基本的な流れになると思います。
ECサイトデザイン参考事例
最後に、近年ECサイトとして伸長してきている事例をピックアップします。
ECサイトデザイン参考事例 1.北欧、暮らしの道具店
株式会社クラシコムが運営するインテリア・雑貨関連アイテムを販売するECサイトです。
「実店舗に代わって商品を売る場」ではなく、「雑誌で商品を知る楽しみを感じながら、買う場」というコンセプトのもと、近年大きく成長しています。
アイテム数・情報量ともに莫大なボリュームがありますが、シンプルで非常に見やすく使いやすいサイトにまとまっています。
ECサイトデザイン参考事例 2.食べチョク
株式会社ビビッドガーデンが運営する「生産者からチョク(直接)でお届け」をコンセプトとした食品関連ECサイトです。
ポップで親しみやすいデザインで統一されており、親近感が湧くECサイトとなっています。
ファーストビューに初回限定パックや季節ごとのギフトセットなど、新規ユーザーに向けたページ作りも豊富に存在します。
また、リピートユーザーに向けた定期購入便プランも用意されており、それぞれの階層に分けたページデザインがスマートに整備されています。
ECサイトデザイン参考事例 3.フォレスト酒蔵MORIKUNI
香川県の小豆島にある酒蔵のECサイトです。
シンプルながらアットホームな酒蔵の魅力がよく伝わるデザインに仕上がっています。
商品紹介のテキストもこだわられている点も非常に優れていると思います。
サイドバーにブログやInstagramのリンクが貼られてあり、情報が欲しい人はスムーズに回遊しやすいよう配慮されています。
まとめ
ECサイトのデザインは、ユーザーの購買意欲を高める重要な要素です。
当然のことながら、長期的な売上や収益にも大きく関わってくるポイントになります。
デザインを決定する際は、ブランドイメージの明確化と機能性の検証を行い、わかりやすく見やすいサイトにすることが大切です。
また、どうしてもデザインが苦手な方であれば、既に完成されているECサイトを買収することも有効です。
当社でもECサイトを多く取り扱っているため、一度こちらの案件一覧をご覧いただければと思います。
自社の特性を活かした魅力的なECサイトデザインを設計し、成長に繋げていってください。
本日も最後までおよみいただき、ありがとうございました。