ECサイトはどう運営する?必要なスキルと具体的な業務内容とは

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前回、下記記事にてECサイトの構築方法についてご紹介しました。

【関連記事】ECサイト作り方とは?構築・作成する5つの方法を解説

今回はECサイトを運営しようと考えている方に向けて、具体的な運営内容について解説します。

必要な運営費用から習得するべきスキルについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイトの運営とは

ECサイト運営とは イメージ

どのプラットフォームでどのように運営するかによって細かな部分は異なりますが、ECサイトは大きく分けて下記の二つの業務から構成されています。

①フロント業務

②バックエンド業務

リソースが豊富にあり、規模の大きいECサイトであればそれぞれに担当者が存在します。

が、個人運営の場合は原則全てを一人で対応する必要があります。

それぞれについてもう少し詳しく解説します。

①フロント業務

フロント業務とは、「商品の企画・商品の仕入れ・サイトの更新作業・広告運用」までの、マーケティング分野の色が濃い業務になります。

明確な基準はありませんが、大凡「実際に商品が売れるまでの運営作業」と理解しておくとわかりやすいかもしれません。

そのECサイトがどういう戦略でどんなポジショニングでどう集客するのか、という重要な部分はこのフロント業務で多くが決まります。

実際にECサイトを構築する前から、準備を始めておくべきポイントだといえるでしょう。

②バックエンド業務

対してバックエンド業務は、「実際に商品が売れた後の運営作業」になります。

具体的には、「受注管理や入金の確認・在庫管理・商品の検品梱包・発送作業・顧客対応・アフターサービス」までの領域です。

ECサイトやショップ側からすると、商品が売れ、入金も確認できている状態のため、単なるアフターフォローのように感じられるかもしれません。

ですが、ここで何かしらの不備が起きてしまうと、顧客に悪い印象を強く与えてしまいます。

顧客の満足度に大きく関わる要素になりますので、丁寧で細やかな対応が求められる業務です。

ECサイト運営の具体的な業務内容

ECサイトの運営業務が商品の企画〜アフターサービスまでの8個ほどの要素に区分することができるのは、上で既に説明した通りです。

ここでは、各業務のポイントをさらに深掘りしていきます。

1.商品の企画

ECサイトフロント業務イメージ

当然のことですが、ECサイトの運営を開始する際、「どんな商品を販売するか?」が定まらない限りは始まりません。

ECサイト運営の最初の一歩とも言える業務ですが、ECサイト運営が成功するかどうかを左右する、非常に重要度の高い領域です。

商品を何にするかということに留まらず、どのターゲットにどのようにメッセージを届けるかということも、この段階で決定します。

2.商品の仕入れ

商品の企画が完了し、ECサイトの大まかな方向性が決まった段階で、次は実際に商品を仕入れていくフェーズになります。

物流トラブルや製造中止などを見越し、もし可能であればなるべく多くの仕入れ先を備えておくといいでしょう。

商品の原価はもちろん、品質の確認や輸入コストなども含めて、実際に販売するときに慌てることがないように念入りな確認が必要です。

自社にて製造する商品であるなら、販売計画を元に先行して在庫を蓄えておくか、ECサイト向け商品として仕込みを開始しておきましょう。

3.サイトの更新・商品登録

商品の仕入れが開始し、在庫を一定数確保できるようになれば、いよいよECサイトに商品を登録します。

実質的なECサイトでの販売がスタートするフェーズです。

こちらの記事でも紹介しましたが、ECサイトではデザイン面での工夫が非常に重要になります。

商品がどんなものなかという情報を明確に示しつつ、ユーザーの購買意欲を掻き立てるようなデザインを探求しましょう。

4.広告運用

ECサイトの広告として最もメジャーなものでは、リスティング広告やディスプレイ広告などの、いわゆるWeb広告があります。

ユーザーの年齢や行動特性などによって最適なものが表示されるため、ややコストがかかるものの、うまく運用すればかなりの流入数を稼ぐことが可能です。

また、近年ではInstagramやTwitter、FacebookなどSNSの広告を活用するECサイトも増えてきました。

若年層の情報取得におけるSNSの割合は年々増加してきており、拡散性があるため爆発力も備えています。

商品によって向き不向きはあるかと思いますが、チャンスがあれば積極的に狙ってみるといいかもしれません。

5.受注管理や入金の確認

ECサイトバックエンド業務イメージ

ここからは商品が売れた後のバックエンド業務になります。

入金の確認が取れた段階でユーザーの注文に対するサンクスメールの送信や、在庫商品の引き当てを実施します。

これらはシステムで半自動化することも可能ですが、立ち上げ当初であれば運営者自身が行うケースもあります。

6.在庫管理

ECサイト運営を継続していく上で、まず最も気をつけたいことは在庫商品が枯渇してしまうことです。

せっかく購買意欲があるユーザーがサイトを訪れたとしても、商品がなければ絶対に売れることはありませんし、一気にユーザーが離れてしまう可能性もあります。

一方で倉庫などを借りて商品を保管する場合はそのコストとの兼ね合いもありますし、万が一長期間売れ残れば死蔵品になるリスクもあります。

販売数の推移とトレンドをチェックしてバランスを取りながら、機会損失のリスクはなるべく抑えておきましょう。

7.商品の検品梱包・発送作業

商品をどのように梱包してどんな発送手段を用いるかという点は、ECサイトの収益性に大きく関わる要素です。

きっちりとした梱包がなされていないと、ユーザーの満足度を下げてしまう要因となりかねません。

ですが、過剰に梱包資材を詰め込んだり、荷姿が大きくなりすたりすると、発送コストが高くなってしまいます。

こちらも絶えず工夫を繰り返し、過不足ない対応を見極める作業になります。

8.顧客対応・アフターサービス

ユーザーの問い合わせに対する回答や、商品が売れた後のレビューのお願いなどの顧客対応は、リピート顧客の獲得につながる要素です。

万が一クレームに繋がってしまっても、誠意のある対応が出来れば逆にユーザーに好印象を与えるチャンスとなることもあります。

クーポンの配信やリピーター限定のセールを実施するなど、なるべくユーザーとの接触機会を増やしていくといいでしょう。

ECサイト運営に必要な費用

ECサイト運営費用イメージ

ECサイトは構築する際に費用がかかるだけでなく、運営していく上でも一定のランニングコストが必要になります。

こちらもどのような運営手法を取るかによっても変わってきますが、代表的なものでは下記のコストが必要です。

①サーバー・ドメイン費用(数千円〜数万円/月程度)

自社でECサイトを構築する場合や、自社サイトにカート機能を持たせたサイトであれば、そのサイト自体の管理運営費用が必要です。

これはサイト自体の運営費用であるため、アフィリエイトサイトや企業サイトと大きく異なることはありません。

②ECシステム費用(数万円〜数十万円/月程度)

ASPでサイトを構築する場合、そのシステムを利用する上で継続的に課金が必要になるケースがあります
(全てのASPが月額課金制を取っているわけではなく、システム費用は不要のサービスも存在します。)

ECクラウドサービスであれば、高機能でカスタマイズ性にも優れる一方で、システムの月額利用料金が数十万円/月程度必要になることが多いです。

③決済代行会社の契約費用・サービス利用料・決済手数料(売上の2~8%程度)

クレジットカード払いなどに対応する上で、決済手数料や契約費用は必ず必要になります。

例えば、ASPシステムの「BASE」では、スタンダードプランであれば月額0円でショップを開設でき、システム費用は不要のサービスです。

ですが、サービス利用料(売上の3%)に加え、決済手数料(売上の3.6%+40円)の費用がかかります。

これらは売上規模に見合ったプランに切り替えることで最適化することができますので、タイミングを見て検討するといいでしょう。

④その他運送梱包費、広告販促費、外注費・人件費など(売上規模に応じ、数万円〜数十万円/月)

これらはECサイトを運営する上でのランニングコストと表現するには少し違和感がありますが、EC事業を成立させる上で不可欠なものです。

販売する商品や運営スタイルに応じて、最も工夫の余地がある部分といえるかもしれません。

ECサイトの成長性やビジネスモデルの整備などにも大きく関わってくる要素のため、継続的に改善していくべきポイントになります。

ECサイト運営に必要なスキル

ECサイト運営スキルイメージ

一口にECサイト運営は多岐に渡り、様々なスキルが必要になります。

必要なスキルとしては、大きく分けて下記の3種類に分けることができます。

・マーケティングスキル
・クリエイティブスキル
・カスタマーサポートスキル

マーケティングスキルは販売する商品の市場調査やトレンドの分析から、Web広告運用のノウハウまでの領域です。

実際にビジネスとして成立するか、成長していけるかどうかを決める重要な要素となります

また、繰り返しになりますが、ECサイトは商品の画像やバナー、販促ページのデザイン等のクリエイティブなスキルも必要不可欠です。

絶対的な正解がなく、どのような商品を販売するかによっても大きく異なるため、奥深いスキルだといえるかもしれません。

さらにECサイトといえど、ユーザーとコミュニケーションを取る機会は多く、対人のカスタマーサポートスキルも大切な要素です。

スピーディーで誠意のある対応ができるように、しっかり準備しておきましょう。

これらは個人で運営する場合は一人で対応する必要があります。

圧倒的な強みがあったり、反対に苦手な部分があったりといった場合は、積極的に外注を活用してみるのも効果的だと思います。

ECサイト運営の勉強に役立つ本

最後に、「これからECサイトをスタートさせたい!」という方に向け、参考になる書籍をいくつかご紹介します。

1.ひとりEC 個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営術

Shopify認定教育パートナーである著者による、一人でECサイトを運営する上での知識が学べる本です。

プラットフォームはShopifyがメインの書籍になりますが、個人でECサイトを運営する上での全体像を把握したい方におすすめです。

2.図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書

タイトルにある通り図解が多く使用されており、直感的に学びやすい本です。

EC初心者に向けた本なので、まずはこちらから読んでみるのも効果的だと思います。

3.EC担当者 プロになるための教科書

実際にECサイトの運営業務に携わる人向けの書籍です。

自社による運営のみならず、楽天やAmazonのモール売上についてのノウハウも記載されています。

4.ひとりEC 個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営術

副業〜個人事業主には役に立つ本でしょう。

特にSNS集客などは今後も重要な施策になることは間違いありません。

5.超入門!サイトM&A1年目の教科書-売却編-

こちらはサイト売却に関しての書籍のため、やや番外編のような内容になりますが参考になる事例が紹介されています。

ある50代の方が突然のリストラを宣告されてしまい、ECサイト運営の開始を決意されます。

その方はスクールに入学し、運営経験ゼロの状態から粘り強く4年間ECサイト運営を継続されました。

最終的にそのECサイトは当社サイトマにて売却を検討するにいたり、600万円で売却に成功されています。

全くの未経験から運営を開始し、結果的に売却まで繋げたという実例は、運営する方の参考になると思います。

まとめ

長くなりましたが、ECサイト運営の全体像についてご紹介してきました。

ECサイトは個人でも運営することができますが、様々な業務に対し、必要なスキルをフル活用して臨んでいくことが必要です。

これから一から立ち上げるという方は、トライアンドエラーを繰り返して素晴らしいECサイトを育てていっていただければ幸いです。

また、自ら構築していく時間がないけれど、既に完成したECビジネスを手に入れたいという方は、買収を検討されてみてはいかがでしょうか。

仕入れ先の選定やリピート顧客の確保に加え、外注化の仕組みまで完成されているものもあります。

気になる方は、こちらの当社の案件一覧のページをご覧いただければと思います。

ECサイト売却についてより深く知りたいという方は、下記の記事も参考としてお読みください。

【関連記事】ヤフー&楽天ショップ、アマゾン、ebayは譲渡可能か?

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

エベレディア株式会社 代表取締役会長 中島優太

日本唯一の「サイトM&Aアドバイザー®」
エベレディア株式会社 代表取締役会長

中島優太

著書に「超入門! サイトM&A1年目の教科書 -売却編-」。サイトM&A業界の不親切に疑問を持ち、2016年5月に親切丁寧に売買仲介する「サイトマ」を創業。取引累計額15億円以上、400件以上を直接対面で仲介(2024年10月時点)。NHKクローズアップ現代プラスに専門家としてコメント。2019年アメリカはシリコンバレーにて講演。新聞、ラジオ、ビジネス雑誌に多数掲載。

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