ネットショップの廃業率はどのくらい?廃業前にやるべきこととは
先日、ブログ運営を辞めてしまう人についての記事を公開しました。
【関連記事】ブログをやめる理由とは?ブログの上手な辞め方と選択肢をサイト売買のプロが解説
個人で手軽に開始する事業として、ブログ運営と並びネットショップ・EC運営も非常に有力な候補となるでしょう。
仕入れ環境や在庫管理方法の整備が必要といった違いはあるものの、個人でも十分にスケールアップしていける点は共通しています。
しかし残念ながら、全てのネットショップが順調に成長できるというものではありません。
そこで、今回はそんなネットショップ・ECの廃業率や廃業方法について解説します。
参考になりましたら幸いです。
目次
ネットショップの廃業率
まず初めに、ネットショップ・ECの事業を開始して、どのくらいの人が辞めてしまうのかという点について触れます。
こちらも先日のブログを初めて辞めてしまう人と同じく、厳密なデータや情報というのはありません。
ですが、一般的には「1年以内に辞める人は50%、開業して2年後も継続する人は10%程度」であると言われています。
上記の通説に関してはどこまでをネットショップ事業者に含めるのか、という点においても大きく変わりますが、やはりブログと同じく多くの人は短期間で辞めてしまうということは間違いなさそうです。
今や数日の時間があれば、AmazonやeBayといった大手ECモールのセラーに登録してネットショップ事業を開始できます。
それに加え、メルカリやヤフオクなどで販売するという方式までEC事業としてしまえば、間違いなくネットショップの廃業率はさらに高い数値となるでしょう。
個人で手軽に開始できる事業は、ブログ運営であれEC事業であれ、数年単位で継続していける人は非常に希少な存在であるといえるかもしれません。
ネットショップの廃業理由
続いて、ネットショップを辞めてしまう、また廃業してしまうという人たちが、どういった理由でその決断をするのかについて考えてみます。
ネットショップの廃業理由として代表的なものは下記の通りです。
1.マーケティングがうまくいかず、集客ができなかった
2.競合が多く、価格・納期競争に巻き込まれて疲弊してしまった
3.販売手数料や送料、広告費などにより収益が得られなくなった
4.新たな業種や商材にチャレンジしたくなった
1.集客をうまくできなかったことについて
ネットショップを開始する方法としては、大きく分けて自らECサイトを立ち上げる方法と、AmazonなどECモールに参入するという二つの方法があります。
【関連記事】ECサイトの作り方を徹底解説。構築の流れと作る際の注意点
Amazonや楽天などのECモールでの販売であれば、それぞれのプラットフォーム自体に集客力があるため、商品や価格に魅力があれば一定の集客はできやすいです。
一方で、自らECサイトを立ち上げてネットショップ事業を行う場合、集客ができなければ誰にも知られずに全くユーザーが訪れないということも起こり得ます。
SNSを含む広告運用などのスキルやノウハウがなければ、全く売上を上げることができないことで廃業に追い込まれるリスクも高くなるでしょう。
2.価格・納期競合に巻き込まれてしまうことについて
ここまで説明してきた通り、ネットショップは手軽に開始できるため、たくさんのライバルが現れやすいビジネスです。
オリジナルの商品で競争力があれば心配ありませんが、日用品や雑貨品などいわゆるコモディティ商品で勝負する場合は、当然ながら価格と納期が非常に重要な意味を持ちます。
一時的に競合がいなても、しばらく継続しているうちに競合が察知して、あなたが販売する商品と似たような商品を販売してくるケースもあるでしょう。
一度そのような我慢比べのような状況に陥ってしまうと、利益も下がる上に競合の同行も追い続けなければならず、かなり厳しい戦いになります。
競合が多数参入することは、特に個人で運営するネットショップにとっては大きなリスクです。
3.想定していたよりも支出が多く、収益が得られなくなることについて
ネットショップは、他の事業と同じく、事前のシミュレーションが非常に重要になります。
なぜなら、各プラットフォームやクレジット決済サービスなど、販売手数料は商品を売れば売るほど増えていきやすいという傾向があるからです。
当然ながら、利用するプラットフォームやASPのプランなどによって異なりますが、実際に販売が順調でも、収益は想定よりも大幅に少ないということも起こり得ます。
また、送料や広告費なども事前にしっかりと見積もっておかないと、キャッシュフローを悪化させる要因となります。
それぞれのスケールや販売フェーズに見合った運営コスト戦略を誤ると、一気に継続が難しくなってしまうでしょう。
4.現状のステージを変え、ステップアップすることについて
ネットショップを廃業する理由は、決してネガティブなものばかりではありません。
例えば、従来は入念に売れ筋商品をリサーチし、せどり販売の方式で利益を得ていたネットショップがあったとします。
そのショップである程度EC運営に習熟し、ノウハウも蓄積されたことで、オリジナルの商品を開発して販売を開始したいといった場合、従来とは違うブランドで展開することになります。
もちろん、この際従来のネットショップも引き続き運営することも可能ではありますが、従来のネットショップをクローズして新規ショップに集中したいという人も多く存在します。
詳細は後述しますが、当社サイトマでネットショップを売却したいという意向を持たれる方には、ステップアップのために売却を決断された方も多数いらっしゃいました。
ネットショップの廃業方法
どうしてもネットショップを廃業せざるを得ない場合、まず検討するべきは在庫の処分方法になります。
すぐにクローズとするのではなく、新規仕入れを行わずに現状の在庫を売り切ってから閉めることができればベストです。
ネットショップの規模と仕入れ状況にもよりますが、半年間〜1年間ほどの長いスパンで徐々にクローズに向かうことをお勧めします。
在庫処分の目処がある程度ついた段階で、商品の登録(ユーザーが購入できる状態)を中止し、販売を終了していることをわかりやすく表記しましょう。
商品を販売している状態で運営作業だけをしていないと、ユーザーに大きな迷惑がかかり、最悪の場合詐欺行為と見做されてしまうリスクがあります。
また、一定の収益があり、ビジネスモデルも整備されているネットショップであるならば、売却するのも非常に有効な廃業方法の一つです。
あなたのネットショップを買い取りたいという人が見つかれば、処分するべき在庫も非常に大きな価値になります。
廃業前に売却を検討しよう!
上でも触れた通り、完全に廃業する前に少しでも余裕があるのであれば、あなたのネットショップを売却することを検討しましょう。
運営を中断してしまえば、完全にこの世からあなたのネットショップは消えてしまうことになります。
一方で、売却に成功すると譲渡金額を獲得できるということに加え、大切に育てた事業が誰かの手に渡って継続するという利点があります。
あなたがこれまでに開拓した取引先やユーザー、仕入れた商品在庫など、全てそのままの価値を維持することも、さらに高めていくことも可能です。
買い手や売り手のみならず、ネットショップに関係する多くの人にとってもメリットが大きい選択肢となるでしょう。
当社サイトマで、実際にネットショップ売却に成功した事例を二つほどご紹介します。
・【平均売上約27万円】ペットグッズを扱うAmazonアカウント(譲渡金額:3,500,000円・掲載より47日で成約)
犬用のグッズ販売に特化したAmazonアカウントです。
売主様が、新規事業に集中したいという意向で売却を決断された案件となります。
当時は「成長途中の愛着あるアカウントをコツコツと毎日、実直に取り組める方に売却したい」というご意向を持たれていました。
本案件の特徴的な点は、仕入れ先の継続や商標の譲渡に加え、譲渡時点での商品在庫約1,400点(販売価格換算で300万円分)という在庫が付属していたということです。
こちらは見方によれば、そのままアカウントを停止し、運営を辞めてしまうとすると、死蔵品にもなりかねないボリュームとも取れる状況です。
一方で、これだけの在庫があることは、仕入れをしたことがない初心者の方にとってはかなり有利な条件となります。
公開後より47日で成約できていることからも、ネットショップ売却で大きな成功を収めた案件だといえるでしょう。
・【平均売上200万・フォロワー6万人】ハイセンスな女性アパレルセレクトショップEC事業(譲渡金額:18,000,000円・掲載より21日で成約)
月売上200万円、営業利益70万円という素晴らしい実績を残されていたBASE構築の女性アパレルECサイトです。
広告運用や教育といった、全く異なるジャンルのビジネスへのステップアップのため、売却を決断されたネットショップになります。
販売価格約40万円分の商品在庫とそこまで在庫ボリュームは多くありませんでした。
ですが、Instagram約6万人、LINE約5千人、Threads約4千人とSNSフォロワーが多く、いずれも譲渡対象となっていました。
また、運営をほぼ自動化されていたという仕組みが高く評価され、1800万円という高額で譲渡成約となりました。
まとめ
ネットショップの廃業率と、廃業方法について解説しました。
自分のネットショップを廃業したいという状況にある方は、「売却なんてできない」と考えているのではないでしょうか。
確かに立ち上げたばかりでビジネスモデルも固まっていないネットショップであればなかなか厳しいですが、ある程度運営されて仕組み作りができているのであれば、十分に売却は可能です。
無料査定のページよりご登録いただけましたら、当社がネットショップを拝見し、査定結果をお知らせしますので、お気軽にご利用いただければと思います。
また、現在売却されているネットショップがどんなものがあるかは、こちらで確認できますので、参考にしていただければ幸いです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。