サイト運営で必要な費用はどのくらい?相場と内訳について
ホームページは、当然ながら構築して終わりというものではなく、運営するにあたって継続的な保守や管理が必要になります。
ついコンテンツ制作の方に意識が行きがちですが、安全にサイトを運営する上で、効果的な管理・保守は欠かせないものです。
ここでは、ホームページ管理費用の相場や内訳と適切な運営の注意点、そして管理会社を乗り換える際のポイントまでを解説します。
参考になりましたら幸いです。
目次
ホームページの管理費・保守費用の相場
ホームページ・Webサイトを管理保守していくための費用は、一般的に下記のようにイメージしておくといいでしょう。
・個人で運営するサイト:〜5,000円/月
・中小規模の企業で運営するホームページ:5,000〜20,000円/月
もちろん、サイトの規模や機能によって大きく異なる部分ですが、個人で運営するサイトで外注を行わないのであれば、数千円程度です。
また、中小規模での企業運営のホームページであっても、月数万円あれば十分に運営していけます。
大規模なECサイトを運営するなどの特殊なケースであれば別ですが、個人でスタートするサイトであれば特別に資金を用意する必要もないでしょう。
なお、全て個人で運営する場合に必要な費用は、レンタルサーバーおよびドメイン費用のみと考えても問題ないです。
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今回の記事においては、中小規模の企業が外注も活用しつつ、ホームページを管理・保守する場合について述べます。
ホームページの管理費・保守費用の内訳
前項にてお伝えしたとおり、ホームページの管理や保守をサイト制作会社に委託する場合、月々数万円ほどの費用が必要になります。
その内訳としては、下記のとおりです。
サーバー費用
ホームページを公開するために必要なサーバーの利用料金です。
個人サイトや小規模な企業サイトであれば、月額500円~3,000円程度の共用レンタルサーバーで十分対応可能です。
アクセス数が多いサイトや、高いパフォーマンスを求める場合には、VPSや専用サーバーを検討する必要があり、月額5,000円~数万円の費用がかかることもあります。
サーバー選びの際は、表示速度、稼働率、サポート体制などを総合的に判断することが重要です。
ドメイン費用
サイトのURL(例:example.com)を取得・維持するための費用です。
一般的な.comや.jpドメインであれば、年間1,000円~3,000円程度で取得できます。
ドメインは毎年更新が必要で、更新を忘れるとサイトが表示されなくなってしまうため、自動更新設定に切り替えておくことをおすすめします。
また、ブランド保護のために複数の関連ドメインを取得する企業も多く、その場合は取得数に応じて費用が増加します。
独自ドメインを使用することで、SEO効果やブランディング効果が期待できるため、初期投資として必要不可欠な費用といえるでしょう。
SSL費用
サイトのセキュリティを向上させるSSL証明書の取得・更新費用です。
現在では無料SSL証明書も広く普及しており、基本的なセキュリティ対策であれば無料で対応可能です。
企業サイトやECサイトなど、より高いセキュリティレベルが求められる場合は、有料のSSL証明書(年間5,000円~50,000円程度)を検討する必要があります。
特に、企業の信頼性を示すEV SSL証明書は高額ですが、ブラウザのアドレスバーに企業名が表示されるため、ユーザーの信頼獲得に効果的です。
SSL化は現在では必須となっており、検索エンジンでも重要な評価要素となっているため、適切な証明書を選択することが重要です。
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コンテンツ更新費
サイト内の情報を最新の状態に保つための更新作業にかかる費用です。
更新頻度や内容により大きく変動する部分ですが、月額5,000円~50,000円程度が一般的な相場となるでしょう。
具体的には、ニュースや新商品情報の追加、既存ページの修正、ブログ記事の投稿などが含まれます。
もちろん、個人や自社で対応することも可能で、その場合はこちらの費用は抑えることもできます。
更新作業を外注する場合、1記事あたり5,000円~20,000円程度、既存ページの修正で1,000円~15,000円程度が相場です。
定期的なコンテンツ更新は、SEO効果にも直結する要素の一つなので、費用対効果を考慮しながら継続的に実施することが重要でしょう。
監視・障害対応費用
サイトの稼働状況を24時間監視し、障害が発生した際の対応を行うための費用です。
月額3,000円~20,000円程度が相場となり、監視レベルや対応範囲により価格が変動します。
基本的な監視サービスでは、サイトの表示確認やサーバーの稼働状況チェックを行い、問題発生時にはメールやSMSで通知されます。
より高度なサービスでは、パフォーマンス監視や詳細なログ解析なども含まれます。
特に企業サイトやECサイトなど、サイトの停止が大きな損失につながる場合は、迅速な障害対応体制を確保しておくことも検討するといいでしょう。
CMSなどの更新・メンテナンス費用
WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)のバージョン更新や、プラグインのメンテナンス費用です。
月額2,000円~10,000円程度が相場となり、使用するCMSの複雑さやプラグインの数により変動します。
定期的なアップデートはセキュリティ対策として非常に重要で、古いバージョンのまま放置すると脆弱性を狙った攻撃を受ける恐れがあります。
また、プラグインの互換性チェックや、アップデート後の動作確認も含まれます。
専門知識が必要な作業が多いため、状況に応じて外注に依頼することも検討してください。
アクセス解析・レポート費用
Google Analyticsなどを使用したアクセス解析と、定期的なレポート作成にかかる費用です。
自社で対応できれば、コストをかけなくても一定の情報は取得できます。
有償の場合は月額5,000円~30,000円程度が相場で、解析の詳細度や報告頻度により価格が変動します。
基本的なサービスでは、月次のアクセス状況やユーザー行動の分析結果をレポートとして提供します。
より詳細な分析を求める場合は、コンバージョン分析、競合比較、改善提案なども含まれることがあります。
データに基づいた改善施策の立案により、サイトの効果を最大化できるため、継続的な投資価値の高いサービスといえるでしょう。
SEOなどのコンサルティング費用
検索エンジン最適化(SEO)やWebマーケティング全般のコンサルティングにかかる費用です。
月額20,000円~100,000円程度と幅が広く、サービス内容や期待する成果により大きく変動します。
基本的なSEOコンサルティングでは、キーワード分析、競合調査、内部施策の提案などが含まれます。
より包括的なサービスでは、コンテンツマーケティング戦略、SNS活用、広告運用なども組み合わせて提供されることがあります。
中長期的な視点でサイトの価値向上を図りたい企業にとって、専門家のサポートは非常に有効な投資となるでしょう。
ホームページの管理費の節約方法
ホームページを立ち上げたばかりの段階や、個人で運営をしていこうと考えている場合、管理費は抑えておくべきコストとなります。
ホームページの運営費用を節約したい場合は、下記のポイントを念頭に置いておくといいでしょう。
品質やセキュリティを損なわない範囲をしっかりと見極めつつ、慎重に実施することが重要です。
・自社でできる作業の内製化を検討する
コンテンツの作成や、簡単なテキストの更新や画像の差し替えは、少し学習すれば誰でも対応可能です。
WordPressなどのCMSを活用することで、専門知識がなくても基本的な更新作業は行えるようになります。
アクセス解析なども含めたコンサルティング費用については、ある程度成果が見込める段階で検討するといいと思います。
・複数のサービスをまとめて契約する
特別なこだわりや、やむを得ない状況がある場合を除き、なるべく有償サービスは1社で対応するように意識するといいでしょう。
具体的には、同じ会社でサーバー、ドメイン、SSL証明書をセット契約するといった工夫をすれば、個別契約よりも安価になることが多いです。
コストパフォーマンスが改善するだけでなく、管理面もシンプルになるため、おすすめです。
・必要最小限の機能から始める
最初から全ての機能を導入するのではなく、サイトの成長に合わせて段階的に機能を追加していくことで、無駄な費用を削減できます。
コストゼロから試せる状況であるのであれば、まずは無償でトライしてみるスタンスが重要です。
ただし、セキュリティ対策や定期的なバックアップなど、サイト運営の根幹に関わる部分はコストを惜しまず、信頼できる業者に依頼しましょう。
ホームページを管理する場合の注意点
ホームページの管理委託を行う上での注意するべき要素としては、自社で管理を行う場合と、着眼点は大きく変わりません。
チェックするべきポイントとしては、下記のような点が挙げられます。
・必要以上の管理費を支払っていないか?
・定期的なバックアップが取られているか?
・コンテンツの質がしっかりとしたものに保たれているか?
・情報セキュリティ対策はどのように取っているか?
一般的に、ホームページ管理を委託する場合において、ほとんど丸投げの状態になってしまっているケースがあります。
その際、ドメインやサーバーの契約まで一任してしまっていると、毎月の料金に手数料として上乗せされている可能性があります。
管理や保守を外注する場合においても、サーバーとドメインの契約までは自社で行っておくと、管理委託会社を変更する際もスムーズに進むためおすすめです。
また、コンテンツの管理や更新を依頼する場合も、バックアップ体制については十分に確認しておきましょう。
委託会社の制作するコンテンツが、どのようなパフォーマンスを発揮しているのかについてのフィードバックも非常に重要です。
さらに、上述したようなSSL化をはじめ、情報セキュリティへの対策を確認することも忘れてはならないポイントになります。
費用によって対策が大きく異なる部分になるため、あらかじめ交渉の上しっかりと線引きをしておくといいでしょう。
ホームページ管理会社を乗り換える場合の注意点
もし現在のホームページ管理会社に対して何らかの不足がある場合、乗り換えを検討してみるのも効果的です。
その際に、下記の点に注意しておくといいでしょう。
・契約内容の確認
・データ移行の可否確認
・料金とサービスの比較
まずは既存の契約内容を確認し、どのような契約になっているか、そもそも解約が可能なタイミングであるかを確認しましょう。
合わせて、現状のホームページのデータの移行が可能かどうか、この段階で入念に確認しておいてください。
そもそも全ての管理を委託している場合、ここが最も大きなトラブルにつながりやすいポイントになります。
万が一、データ移行が不可となった場合には一からホームページの構築が必要となる可能性もあるため、前述の通りサーバーとドメインの契約は自社で行えるようにしておきましょう。
それらがクリアとなった段階で料金とサービスの比較を実施するといいと思います。
現在の委託会社がカバーできていない部分や、改善したい箇所があるのであれば、その点を強く打ち出す委託会社を選ぶことをおすすめします。
また、全てを一社に投げるのではなく、管理保守はA社に、サイト改善はB社にという形で振り分けを行うのも効果的です。
その際にも、それぞれの分野をバッティングしないように契約内容を確認しておくといいでしょう。
まとめ
ウェブサイトの運営には多くの作業が必要となり、自社で全てを把握して最大効率化させることは難しいケースもあります。
ですが、コンテンツの質を高めることや、セキュリティ対策の強化は、ホームページにおいて言うまでもなく重要なポイントです。
しっかりとどの部分を委託するべきかを見極めて、効果的に委託会社を活用するといいでしょう。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。